オランダのファンレーウェン貿易相は、同国の半導体製造装置大手ASMLホールディングの製品に対する対中輸出許可を取り消した決定について、中国が軍事転用する懸念があるためと説明した。写真はASMLのロゴ。上海で2023年6月撮影(2024年 ロイター/Nicoco Chan)

ASML製品の対中輸出許可撤回、軍事転用懸念で=オランダ貿易相

Toby Sterling

[アムステルダム 19日 ロイター] – オランダのファンレーウェン貿易相は、同国の半導体製造装置大手ASMLホールディングの製品に対する対中輸出許可を取り消した決定について、中国が軍事転用する懸念があるためと説明した。

議員からの質問に回答した。ASMLは年初に、政府が同社製品の対中輸出許可を取り消したとの報道を確認していた。

同相は今月5日付の回答文書で、中国が「軍事技術開発の自給自足を促進」するためにオランダのリソグラフィー技術など外国の優れた技術を重視していると指摘。ASMLの装置を使って製造する先端半導体は「高価値の兵器システムや大量破壊兵器」に使用される可能性があり、オランダ政府は輸出許可を検討した際に望ましくない目的で使われるリスクを重視したと語った。

オランダ政府は昨年、米国からの圧力によりASML製の深紫外線(DUV)露光装置の中位製品に輸出許可制を導入。同社は最先端装置を中国に輸出したことはない。

新興政党の新社会契約(NSC)の議員は質問文書で、政府が当初、ASML製の複数の装置の対中輸出を許可し、その後すぐに撤回したかを追及。これに貿易相は直接回答せず、昨年9月に許可制が導入されて以来、先端半導体装置の対中輸出を複数件許可していると述べるにとどめた。

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