82歳日本人栄養士考案、健康に良いバナナ酢のレシピ

「私はいくら働いてもくたびれないの。撮影が深夜0時を過ぎても、作業のテンポが変わらないと30代のスタッフに驚かれるんですよ」と、料理研究家の村上祥子さんは雑誌プライムに話しました。

村上さんは、福岡女子大学の客員教授であり、500冊以上の著書を持つ料理研究の第一人者です。

82歳で現役を続ける彼女は、自ら考案した「バナナ」を47年間飲み続けることで得たエネルギーの秘訣を語ります。プライム誌によると、村上さんはバナナ酢を飲んだり料理に使ったりすることで、体に良い変化があったそうです。疲れにくくなっただけでなく、肩こりや冷え性、便秘も解消されたと言います。

 

バナナ酢の作り方

村上さんは自身の公式サイトでバナナ酢のレシピを公開しています。

 

<材料>

・バナナ 1本 

・黒砂糖 100g

・黒酢  200ml

 

<作り方>

1. バナナは幅2cmに切る。

2. 黒砂糖とバナナを瓶に入れ、黒酢を注ぐ。

3. 瓶にふたをしないで、レンジでチン(600Wで30秒、500Wで40秒)。

4. レンジから取り出して、すぐに蓋をしめて、12時間室温におく。
 

村上さんは、バナナ酢を水で4倍に薄めて飲むか、りんご酢の代わりに料理に使うことを推奨しています。1日あたり大さじ3杯(45グラム)を目安に摂ると良いでしょう。とりすぎると代謝を早めすぎて下痢を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

村上さんは、砂糖と酢が体内でクエン酸サイクルを促進し、脂肪と糖をエネルギーに変えると説明しています。これはダイエットに役立つだけでなく、疲れを早く回復させる効果もあります。

研究によると、バナナ酢にはカルシウム、ナトリウム、亜鉛、マグネシウム、鉄などのミネラルが含まれており、血圧の調整や血液の生成、睡眠の改善、神経系の機能維持に有効です。
 

腸内フローラのバランスを整える

江田明博士は、消化器内科の専門家であり、江田クリニックの院長です。彼はプライム誌でバナナ酢の健康効果について説明しました。発酵性炭水化物(FODMAP)は小腸で吸収されにくいですが、バナナはFODMAPが少なく、腸の健康に良いとされています。

バナナには不溶性繊維が豊富で、便の量を増やし体内の毒素を排出するのに役立ちます。また、水溶性繊維が腸内の善玉菌を養います。

村上さんは、腸は栄養の吸収と不要な廃棄物の排出に重要な役割を果たしているため、腸の健康を保つことが全体的な健康にとって非常に重要だと強調しています。

ある研究では、バナナに含まれる耐性デンプンが肥満ラットの腸内細菌群の構造に大きな変化をもたらし、アッカーマンシア菌やバクテロイデスなどの有益な細菌を増やし、脂質代謝と血中脂質レベルに悪影響を及ぼす細菌の成長を抑制したことが分かりました。これにより、腸内細菌群のバランスが整い、腸の健康が守られます。
 

心血管疾患の予防

バナナと酢にはカリウムが含まれており、心臓の健康をサポートします。2022年に「European Heart Journal」に掲載された研究では、男性1万1267人と女性1万3696人を約20年にわたって追跡調査しました。

その結果、カリウム摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて心血管疾患のリスクが13%低かったことが明らかになりました。特に女性では、カリウム摂取量が多いグループは11%、男性では7%リスクが低下していました。

ただし、バナナ酢はカリウムが豊富なため、腎臓に問題がある人は大量摂取を避け、使用前に医師の相談が必要です。
 

うつ病の軽減

江田博士によると、バナナにはトリプトファンとビタミンB6が豊富に含まれており、セロトニンの生成を助けるそうです。セロトニンは気分を安定させる効果があります。

また、酢には精神健康に良い影響を与える可能性があります。健康な若者を対象にした研究では、4週間毎日酢を摂取した参加者は、うつ病の自己評価スコアが20~34%減少したと報告されています。

別の研究では、酢が認知機能を向上させることが示されており、認知能力を向上させる代謝物質であるアセテートを体外から取り入れることで効果があるとされています。また、高繊維食は腸内発酵を通じて体内のアセテートレベルを上げ、うつ病の症状改善に寄与する可能性があります。
 

アンチエイジング効果

黒酢には多くの健康効果があります。江田博士によると、体が酸素をエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)に変える過程で、老化やがんの原因となる有害な活性酸素種(ROS)が生成されますが、酢にはこれを中和する抗酸化作用があります。特に黒酢は、一般的な酢よりも強力な抗酸化作用を持っています。

江田博士は、バナナ酢がバナナと黒酢の健康効果を組み合わせたもので、健康と長寿に役立つスーパーフードだと考えています。
 

健康的なバナナ酢レシピ

村上さんは、バナナ酢を使った簡単でおいしいレシピをいくつか紹介してくれました。
 

〈バナナ酢ミルク〉

グラスに牛乳100ミリリットルを注ぎ、バナナ酢大さじ1(15グラム)を入れて混ぜ、漬けたバナナや好みのフルーツ適量を浮かべる。
 

〈バナナ酢ドレサラダ〉

材料

・サニーレタス 100グラム

・玉ねぎ  30グラム

・きゅうり 30グラム

・ミニトマト 40グラム

・バナナ酢 大さじ2

・オリーブオイル大さじ1

・塩 小さじ1/4

・こしょう少々

作り方

1. サニーレタス100グラムは手でちぎり、玉ねぎ30グラムは薄切り、きゅうり30グラムは斜め薄切り、ミニトマト40グラムは半分に切る。

2. バナナ酢大さじ2、オリーブオイル大さじ1、塩小さじ1/4、こしょう少々をボウルに入れてスプーンの背でよく混ぜる。(1)を入れて手でボウルの下からすくうようにかき混ぜて味をなじませる。
 

村上さんは、50歳を超えると体に大きな変化が起こると述べています。高齢になっても健康な腸と活力を保つためには、特に50歳以上の女性を含む中高年の方々にバナナ酢を食生活に取り入れることを推奨しています。

バナナ酢を市場で購入する際は、糖分の含有量を確認することが大切です。牧田善治博士は、AGE牧田クリニックの院長であり、日本の糖尿病の専門家です。

牧田氏は日刊現代ヘルスケアのウェブサイトに掲載された記事で、水で薄めた酢も酸性を持つと強調しています。市販の飲用酢には、味と飲みやすさを向上させるために、グルコースやハチミツなどの添加物がよく加えられています。そのため、糖尿病の方や血糖値が気になる方は、酢製品を選ぶ際に成分表示を注意深く読むことを彼は勧めています。

 

(翻訳編集 柴 めぐみ)

Ellen Wan
2007年から大紀元日本版に勤務しており、時事から健康分野まで幅広く携わっている。現在、記者として、新型コロナウイルスやコロナワクチン、コロナ後遺症、栄養学、慢性疾患、生活習慣病などを執筆。