(Ezra Acayan/Getty Images)

フィリピンとベトナムが初めての共同訓練を実施へ

フィリピンベトナムの海上保安部隊が、近々初めての共同訓練を行うことが決定した。この訓練は、中国が南シナ海でのプレゼンスを強める中、両国の連携を促進し、対抗姿勢を鮮明にすることを目的としている。

8月5日、ベトナム海上警察巡視船CSB8002が、乗務員80人を乗せて、フィリピン海上保安部隊の温かい歓迎を受けながらマニラ港に入港した。

この90メートル級の海上保安船は、今週金曜日(8月9日)にフィリピンの巡視船「BRP Gabriela Silang」と共同で訓練を行う予定だ。これは、フィリピンとベトナムが共同で行う初の訓練となる。

フィリピン沿岸警備隊の報道官であるアルマンド・バリロ少将は「「この共同訓練は極めて重要だ。私たちはパートナーシップを築いており、南シナ海(西フィリピン海)での諸問題に直面している中、両国がどのように協力できるかを示す機会だと考えている」と述べた。

フィリピンとベトナムは南シナ海における主権に関して重複する領土主張をしているが、中共の海警局が同海域で挑発的な行動を取ることに対し、両国は強く抗議している。

先週、合同演習を発表した数日後、ベトナムの沿岸付近で、追跡機能が作動している中共軍の無人機が飛行しているのが確認された。

マニラに滞在している間、ベトナム海上警備隊はフィリピンの海上警備隊と会合を持ち、互いの艦船を点検し、マニラ湾で共同で捜索救助活動や火災、爆発事故への緊急対応訓練を行う計画だ。マニラ湾はフィリピン北部に位置し、南シナ海に面している。

ベトナム海上警備隊第2地区の副指揮官である黄国上校(大佐)は次のように述べている。

「この協力は情報共有を促し、効率を向上させるものだ。さらに、国際法に基づく海上での法の執行を整え、地域の海の安全を確保し守ることに貢献するだろう」

今年の1月には、フィリピンのマルコス大統領が国賓としてベトナムを訪れ、その際に両国間で海上警備隊の連携を強化することに合意した。

関連記事
インド政府は、中国からの安価な鉄鋼輸入を抑えるため、最大25%の関税(セーフガード)の導入を検討している。この […]
中国は武器輸出を通じて地政学的影響力を拡大しているが、米国は、ウクライナへの武器輸出阻止や先端技術のアクセス制限を通じ、中国の軍需産業に圧力をかけている。世界の武器市場における競争は一層激化している。圧倒的な首位を維持する米国と、追い上げを図る中国。その行方を探る。
タイ政府は輸入規制を強化し、中国からの低品質な商品を含む粗悪品の輸入量を20%削減したと発表。特に農産物、消費財、工業製品の取り締まりに注力している。
ベトナム政府が中国の通信販売大手TemuとSheinに対して業務の一時停止を命じた。両社は現在、電子商取引サービスの登録を進めており、不適切な販売戦略や偽造品の懸念が高まっている。再開の具体的な時期は未定で、ベトナムでは法改正も進行中。
パラオは台湾との関係を維持し、中国依存の脱却を目指して観光業の多様化を進めている。新たな航空路線の開設や、文化と環境を尊重する観光客層の誘致に注力している。