地方から上京し北京の有名大学を卒業した女性が賃貸アパートで餓死
最近、西安のある賃貸アパートの大家さんが語った衝撃的な出来事が話題になっている。北京の有名大学を卒業した貧しい山村出身の女性が、就職に失敗し飢え死にしたという。彼女の遺体は死後約20日後に発見され、このニュースはインターネットで大きな反響を呼んでいる。
8月19日、咸陽市の公安当局はこの悲劇を認めた。
1990年代生まれのこの女性は、北京の有名な大学を卒業した後、公務員試験に何度も挑戦し、筆記試験では地元でトップの成績を何度も取ったが、面接で落ち続け卒業してから約10年間、仕事が見つからない状況が続いていた。
今年4月には、西安で就職活動をしており、大家から部屋を借りていた。1万元の家賃は彼女の母親が村の人たちから借りたお金であることが、その後にわかった。
5月20日を過ぎて以降、彼女が外出した形跡はなく、家で料理をする気配も感じられなかった。6月末になると、彼女の部屋には異臭が立ち込め、遺体は腐敗が進み、顔はもはや識別できない状態だった。
この悲劇はインターネットで大きな反響を呼び、ユーザーの中には「これが中国共産党の言う『繁栄の時代』の真実だ」と皮肉を込めてコメントする人もいた。
カナダに住む華僑の作家、盛雪氏は次のように述べている。「彼女が絶望したのは、長期にわたる就職活動の失敗が原因だろう。生きる希望を見失い、出口が見えなくなった彼女は、生きる道を失ったのだと思う」
亡くなった女性の両親は、「彼女は勉強を続け、私たちの村の誇りだった。家族だけでなく村全体が、彼女に希望を託していた」と語っている。
盛雪氏はさらに、「経済的な困難だけでなく家族の大きな期待、地域社会の厳しい要求、そして世論の圧力によって、彼女は押しつぶされそうになっていた。彼女には逃れる道がなかったのだ」と述べている。
中国の経済は厳しい状況にあり、失業率の上昇が著しく、公務員になるための試験を受ける人は急増しており、深刻な社会的格差が存在する。人脈がなければ成功するのは非常に困難なのだ。
以前の報道によると、7万人以上の大学院生がフードデリバリーのバイトをしている。
中国本土の住民、趙さんは次のように語っている。
「今、失業の波が至る所で起こっている。高い教育を受けた大学院生をはじめ、大学生や新卒者など多くの若者が仕事を探しているが、半年から1年も見つからない人が多すぎる。路上生活を余儀なくされている人も多く、老人ホームを若者が使うことも流行しているなど、社会全体が絶望感に覆われている。生活がこんなにも苦しいと、生きる意味を見失ってしまう人もいるのだ」