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白夜が始まる

アラスカ最北の町 84日間の「白夜」に突入

アメリカ・アラスカ州最北端の町ウトキアグヴィクは、5月10日(土)に今年最後の日没を迎え、そこから84日間、太陽が沈まない「白夜」の時期に突入しました。これは冬の「極夜」と真逆の現象です。この町では毎年11月から1月にかけて、約64日間太陽がまったく昇らない「極夜」の期間もあります。

今年は、翌日土曜日の午前2時51分に太陽が昇った後、その日から沈むことなく、次に日没を迎えるのは8月2日午前1時55分となります。この期間中、夜間でも太陽は地平線近くを数時間かけて移動しますが、完全なる姿を消すことはないため、この町は「真夜中の太陽(midnight sun)」の地として知られています。

この現象は、地球の自転軸が傾いていることによって生じました。夏の間、北極圏の地域は一日中太陽の方向を向いているため太陽光が当たり続け、逆に冬には太陽の光が全く届かなくなります。

太陽が当たり続けるとはいえ、ウトキアグヴィクの夏は気温はそれほど高くありません。7月中旬の平均最高気温は約4~9℃にとどまり、これは太陽の角度が低いため、暖かさが限られているからです。夏至の時に太陽の高さはわずか42℃で、ワシントンD.C.の2月下旬と同程度です。同地の観測史上最高気温は1993年7月13日の26℃でした。

ウトキアグヴィクは過去バローと呼ばれ、人口5,000人未満の小さな町で、アメリカ最北の都市であると同時に、世界最北の町のひとつでもあります。北極点から約1,930キロ離れていますが、地球上でこの町よりも北に位置する陸地はわずか2.6%しかありません。

当地はツンドラ気候に属し、「寒い砂漠」とも分類されます。年間平均降水量は約137ミリと少なく、雪はよく降りますが、実際の降水量は多くありません。北極海からは一年中東寄りの風が吹きつけ、年間の半分以上が曇り空となります。

次の「極夜」は、11月19日から始まる見込みです。

(翻訳編集 正道 勇)

李言