トランプ米大統領は、資源豊富なグリーンランドの支配権獲得にワシントンが改めて関心を示していることに対し、グリーンランドとデンマークから上がった批判に反応した。
日曜日に記者から、デンマークの自治領であるグリーンランドに対して行動を起こすつもりか問われると、トランプ氏は「グリーンランドについては20日ほど後に話そう」と答えた。
さらに氏はこう付け加えた。「国家安全保障上の状況から、我々にはグリーンランドが必要だ。現在は非常に戦略的な場所であり、グリーンランドのいたる所がロシアや中国の船で埋め尽くされている」
「国家安全保障の観点からグリーンランドが必要だが、デンマークには(防衛を)全うすることはできないだろう。断言できる。……彼らが追加したのは、せいぜい犬ぞり1台分だ」
エアフォース・ワンに同行していた別の記者から、米国がグリーンランドの領有を主張する正当性は何かと問われ、トランプ氏はこう答えた。「私はこう言うだけだ。国家安全保障の観点から我々にはグリーンランドが必要であり、欧州連合(EU)にとっても、我々がそれを所有することが必要なのだ」
グリーンランドの領有主張が中国との関係に影響を与えるのではないかという記者の指摘に対し、大統領は「私と(中国共産党党首の)習近平は非常に良い関係にあると思う。我々には関税という力があり、彼にはまた別の力がある」と述べた。
デンマーク首相「米国に併合する権利はない」
デンマークとグリーンランド両国の首脳は日曜日、トランプ氏に対し、グリーンランド買収の脅威を止めるよう求めた。これは、米大統領が「アトランティック」誌のインタビューで買収の意向を繰り返し、さらに米国が週末にベネズエラで異例の作戦を実行したことを受けたものである。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は日曜日の声明で、「米国がグリーンランドを接収する必要があるなどという話は、全く理にかなっていない。米国にはデンマーク王国の3つの構成国のいずれをも併合する権利はない」と述べた。
米国がベネズエラの指導者ニコラス・マドゥロ氏を拘束し、トランプ氏がワシントンによるベネズエラの暫定統治を発表した翌日、米大統領は「アトランティック」誌に対し次のように語った。「我々にはグリーンランドが必要だ、間違いなく。防衛のために必要なのだ」
マルコ・ルビオ米国務長官は土曜日、ベネズエラでの米軍の作戦を受けて、世界は注目すべきだと述べた。「(トランプ氏が)何かをすると言ったとき、あるいは問題に対処すると言ったとき、彼は本気で言っているのだ」とルビオ氏は語った。
週末の一連の出来事は、デンマーク国内で、1979年以来デンマークの自治領となっている(それ以前はデンマークがより直接的に統治していた)グリーンランドが、米国に接収されるのではないかという懸念を強めている。

「売り物ではない」
フレデリクセン首相は次のように述べた。「したがって、歴史的に密接な同盟国(デンマーク)や、『自分たちは売り物ではない』とはっきり表明している国と人々(グリーンランド)への脅迫を止めるよう、米国に強く求める」。
グリーンランドのイェンス=フレデリック・ニールセン首相は、日曜日にSNSに投稿した声明で次のように述べた。「米国大統領が『我々にはグリーンランドが必要だ』と述べ、我々をベネズエラや軍事介入と結びつけるのは、単に誤っているだけでなく、無礼である」。
「脅迫、圧力、そして併合に関する議論は、友人同士の間でなされるべきものではない」、「もう十分だ。……併合という妄想はもうやめてもらいたい」。
トランプ氏は12月21日、ルイジアナ州のジェフ・ランドリー知事をグリーンランド担当特使に任命した。ランドリー氏は、地理的に北米に近く、カナダのエレスメア島からわずか16マイル(26km)しか離れていないグリーンランドが米国の一部になるべきだというトランプ氏の提案を公に支持している。
グリーンランドは世界最大の島であり、その鉱物資源は、進行中の貿易関税戦争や国家安全保障上の懸念の中で中国への依存度を下げたいワシントンにとって、大きな魅力となっている。
また、北米と欧州の間に位置するグリーンランドの戦略的地位は、米国の弾道ミサイル防衛システムにとっても重要な拠点となっている。

英スターマー首相もデンマークを支持
かつてデンマークの植民地であったグリーンランドは、2009年の合意に基づき独立を宣言する権利を有している。しかし、経済をデンマークからの多額の補助金に依存しているため、独立の可能性は低いとみられている。
デンマークはこの1年、グリーンランドとの冷え込んだ関係の修復に努める一方で、北極圏の防衛に投資することでトランプ政権との緊張を緩和しようと試みてきた。
英国のスターマー首相やフランスのマクロン大統領を含む他の欧州指導者らも、グリーンランドがデンマークの自治領に留まることを支持すると表明している。
BBCから、「トランプ氏に対してグリーンランドに手を出すな」と言うつもりか問われると、スターマー氏は「イエス」と答えた。
「グリーンランドとデンマーク王国が、グリーンランドの未来を決定しなければならない。グリーンランドとデンマーク王国だけが、だ」、「そしてデンマークは欧州における密接な同盟国であり、NATOの同盟国でもある。グリーンランドの未来は、デンマーク王国とグリーンランド自身のため、そしてグリーンランドとデンマーク王国のためだけにあることが非常に重要だ」。
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