中国の新人歌手・趙子彧(ちょう・しいく、18歳)が歌った『焦作』。出稼ぎ労働者の苦しみを描いた歌詞は大きな共感を呼んだが、当局の圧力で改変を余儀なくされた。(映像よりスクリーンショット)
出稼ぎ労働者の苦しみをうたった歌が「都市の恥」? 

中国で新人歌手の歌が検閲 出稼ぎ労働者の苦しさ描いた作品を問題視

アジアの奇才と呼ばれる中国の新人歌手、趙子彧(ちょう・し いく、18歳)さんの歌が当局の圧力で書き換えられたことが分かった。

『焦作』と題されたその歌は「一生ビルを建てても自分の家はない」といった歌詞で、多くの共感を呼んだ。河南省焦作市で働く出稼ぎ労働者の生活の重圧と苦しさを描いた作品だった。

しかし7月、焦作市当局が「都市のイメージを損なう」として歌詞の修正と改名を要求。趙は手書きの謝罪文を公開し、改変に応じた(応じざるを得なかった)。最終的に曲名は『漂泊』に変えられ、歌詞の8か所も書き換えられ、地名も削除された。

▶ 続きを読む
関連記事
今年も現れた中国版サンタ「鰲拜(オボイ)」。サンタの恰好で空を飛んでも、顔を見れば一発で分かる。なぜ毎年この悪役がサンタになるのか。
上海と北京の二大空港で免税店の経営権が一斉に交代した。単なる事業者の入れ替えにとどまらず、長年にわたり空港免税という国家管理の参入ゲートを掌握してきた江沢民系資本が完全に市場から退場したとの見方が広がり、中国の経済権力構造における一つの時代の終焉を告げる出来事として注目を集めている
深圳の2億元評価のゴルフ別荘が6673万元で競売にかけられたが、8回目の競売でも入札者は現れず流札となり、中国不動産市場の冷え込みを象徴する出来事としてネットの注目を集めている
中共が旅行会社に「訪日客を6割に抑えよ」と指示し、日本行き中国人を恣意的に制限している。矢板明夫氏は、数字ありきの“思いつき統治”の体質は、毛沢東時代の恣意的な人数・割合決定と本質的に変わらず、犠牲になるのは経済だけでなく自由と常識だと批判する
米国駐武漢総領事館が年収8万元超の清掃員を募集し、中国SNSで大きな話題に。小卒以上・英語初級で応募可能な明確条件は、中国企業の低賃金・不透明求人と対照的で、外資と内資の待遇格差への不満も噴出している