アジアの奇才と呼ばれる中国の新人歌手、趙子彧(ちょう・し いく、18歳)さんの歌が当局の圧力で書き換えられたことが分かった。
『焦作』と題されたその歌は「一生ビルを建てても自分の家はない」といった歌詞で、多くの共感を呼んだ。河南省焦作市で働く出稼ぎ労働者の生活の重圧と苦しさを描いた作品だった。
しかし7月、焦作市当局が「都市のイメージを損なう」として歌詞の修正と改名を要求。趙は手書きの謝罪文を公開し、改変に応じた(応じざるを得なかった)。最終的に曲名は『漂泊』に変えられ、歌詞の8か所も書き換えられ、地名も削除された。
ネット上では強い反発が広がり、「歌を消しても記憶は消えない」との声に加え、「彼らは震えている。農民に何をしてきたか自分で分かっているからだ」といった辛辣な書き込みも目立った。
一つの歌を恐れるほど怯える当局の姿が、何よりもこの国の脆さを物語っている。
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