習近平の名前を出していない。
語られたのは『ハリー・ポッター』に登場する悪役、ヴォルデモートの話だけであった。
それにもかかわらず、この動画は「Bilibili史上、最も短命な投稿者」を生んだとして、華人圏で大きな話題となっている。
問題の動画は2月5日、中国の動画投稿者が公開したものである。
投稿者は動画でこう語った。
「もし、ある人物の名前を誰も口にできず、代わりの呼び方ばかり使われているとしたら、それは異常だ。その人物が、もはや取り繕うこともできないほど恐れられ、同時に中身のなさをさらしている証拠だ」
さらに、「名前を言わせないことで自分を守っている存在は、本当は強いのではなく、内側が空っぽで、批判に耐えられないだけだ」とも指摘した。
投稿者はまた、作中でヴォルデモートが「世界を支配する」「仲間を導く」と大言壮語しながら、結局は何も成し遂げられなかった点にも触れた。
さらに、「外に向かっては威勢のいい言葉を並べるが、実際に力を使うのは内部への締め付けばかりだ」と皮肉った。
動画の終盤では、次のように締めくくっている。
「批判の声を遮断し、称賛だけを聞き続けた時点で、その存在はすでに権力の操り人形だ。たとえハリー・ポッターが現れなくても、崩れるのは時間の問題だ」
動画内では実在の人物の名前は一切出ていなかった。
それにもかかわらず、動画は公開からわずか47分で削除され、投稿者のアカウントも凍結された。
この展開に、中国のネット上ではすぐに「答え合わせ」が始まった。
「誰の名前も出していないのに検閲された。その時点で、ヴォルデモートが誰を指していたのかは確定した」
「図星だったから消された」
この国ではいま、検閲こそが最も正直な「発言」となっている。
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