ケチャップは常温に保存すべきか、冷蔵庫に入れるべきか？ 一見ささやかな問題ですが、実は激しい意見の対立を引き起こし、家庭内の「平和」にも影響します。大手ケチャップ製造メーカー「ハインツ」は、自らの正解を公開しました。

ケチャップの保存方法をめぐる議論は長い間続いており、Redditでも関心を集める話題となっています。

冷蔵庫保存派の意見としては、ケチャップのラベルに「開封後は冷蔵庫で保存」と記載されていることを理由に挙げ、低温で保存することでより長く鮮度を保てると主張しています。

Redditユーザーの一人は、「ケチャップには酸味があるとはいえ、糖分も多く含まれており、細菌の繁殖を促す可能性があるため、絶対に冷蔵庫で保存すべきだ」とコメントしています。

一方で、常温保存派は「ケチャップには防腐剤が多く含まれているため、どんな環境でもそう簡単には腐らないはずだ」と反論しています。

「レストランでは開封済みのケチャップを常に冷蔵庫に入れているか？ そんなことはない」と、常温保存派のユーザーはRedditで冷蔵庫保存派に対して主張しました。

「X（旧Twitter）」でもこの話題について意見が飛び交っています。「置きたい場所に置けばいい。うちは常温で保存している」や、「常温に決まっているだろう、冷たいケチャップをフライドポテトにかけたくないから」など、さまざまな意見が寄せられています。

また、「保存場所は使用頻度による」と考える人もいます。

2023年6月28日、ハインツ社はXでアンケートを実施し、13,178人が参加しました。結果は、「冷蔵庫保存派」が63.2%、「常温保存派」が36.8%となりました。

イギリスの『デイリー・メール』紙の報道によると、ハインツの広報担当者であるオリビア・レノン氏は、「正解は一つだけです。私たちのケチャップは冷蔵庫に保存すべきです」と発表しました。

さらに、「多くのハインツファンが常温に保存していると承知していますが、開封後は冷蔵庫に入れることを推奨します。これが、皆さんが知っていて大好きなハインツケチャップの味を保つ最適な方法です」とレノン氏は説明しました。

ただし、未開封の状態であれば、ケチャップを常温で保存しても問題ありません。

実は、ケチャップに限らず、醤油、マリナーラソース、マスタード、オリーブオイル、マヨネーズ、ホットソースなども「冷蔵保存すべきかどうか」で意見が分かれています。ラベルには「開封後は冷蔵庫で保存」と書かれていても、多くの人がこれらの調味料を直射日光の当たらない食器棚に常温で保管しています。

イギリスの食品ロス削減キャンペーン「Love Food Hate Waste」は、公式サイトで食品の保存方法を紹介しました。卵は鮮度を保つために冷蔵庫で保存するのが最適で、バナナやパイナップルは常温保存で十分です。ほとんどの果物や野菜を冷蔵保存すれば、賞味期限を延ばせます。調理や食べる前に常温に戻せば、食材の風味を損ないません。ジャガイモや玉ねぎは冷暗所（野菜カゴや袋の中）で保存するのが最適で、ネギは冷蔵庫で保存しましょう。

「適切な場所に保存すれば、食品を長持ちさせるだけでなく、お金の節約にもなります」と、『ガーディアン』紙は同キャンペーンのコンサルタントであるヘレン・ホワイト氏のアドバイスを紹介しました。「例えば、パンを冷蔵庫に入れると、かえって乾燥してしまい鮮度が落ちるため、食器棚やパンケースに常温保存しましょう。また、りんごを常温に置いておくとすぐにシワシワになってしまいます。冷蔵庫で保存すれば、驚くほど長持ちしますよ」

（翻訳編集　正道勇）