アメリカでは鳥インフルエンザの影響により卵の供給が不足し、価格も高騰しています。しかし、それでも人々は「完璧なゆで卵」を作る方法の研究を続けています。では、「完璧なゆで卵」とはどのようなものなのでしょうか? それは、白身が柔らかさを保ちながら適度に固まり、黄身がほどよくクリーミーな食感になることが求められます。
白身と黄身の両方を理想的な食感に仕上げるのは至難の業です。なぜなら、黄身は65度で固まり始めるのに対し、白身は85度にならないと完全に固まらないためです。そのため、一般的な沸騰したお湯での調理では黄身が固くなりすぎ、一方で弱火でじっくり加熱すると白身が固まりきらないという課題がありました。
研究者たちは数百個の卵を使って実験を重ね、卵内部の熱の伝わり方を数学的に分析し、理想的な調理方法を導き出しました。
その方法とは、卵を2分ごとに100度の熱湯と30度のぬるま湯に交互に移しながら加熱する「周期的調理法」です。この工程を8回繰り返し、合計32分かけて茹でます。その後、流水で冷やして殻をむけば完成です。
具体的な手順は、まず鍋にお湯を沸かし、卵を入れて2分間加熱したら取り出し、30度のぬるま湯に2分浸します。この工程を合計8回繰り返せば、「究極のゆで卵」が完成します。
「家庭でもこの方法を試すことは十分可能です」と、カリフォルニア大学アーバイン校の化学者グレゴリー・ワイス氏(今回の研究には関与していない)はAP通信の取材に応じ、太鼓判を押しました。
この周期的調理法を用いることで、卵の中心温度は常に67度以下に保たれ、黄身は程よくクリーミーに仕上がり、白身は高温と低温の繰り返しによって柔らかさを保ちつつしっかり固まります。
この調理法の検証のため、研究者たちは完成した卵の化学成分を分析し、従来のゆで卵とともに8人の試食者に提供しました。
この研究結果は、2月6日に科学誌『コミュニケーション・エンジニアリング』に発表されました。
ミネソタ大学の食品科学者ジョアン・スラヴィン氏(本研究には関与していない)はAP通信の取材に対し、「従来の方法より時間はかかるが、黄身と白身の食感が理想的なバランスに仕上がるのであれば、それだけの価値はあるかもしれません」とコメントしました。
「時間はかかりますが、より良い結果を得られる方法です」とスラヴィン氏は評価しました。
(翻訳編集 正道勇)
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