2025年3月11日、中共軍の代表が北京の人民大会堂で全国人民代表大会の閉幕式に出席した。(Kevin Frayer/Getty Images)

張又俠失脚後 中国各界 民衆抗議や軍内部動向を注視

張又俠と劉振立が拘束されたとの情報は、ここ数日、国内外で大きな注目を集めている。中国本土の複数の学者やメディア関係者は、これを中国共産党(中共)高層部における大規模な権力闘争とみる一方、党内部の深刻な分裂状態を示すものだと指摘している。また、中国では今後、民衆の抗議行動や軍内部の動きなど、先行きの見通せない事態が生じる可能性があり、中共体制が急速に揺らぐとの見方も出ている。

北京在住の学者・劉さんは、今回の張又俠の拘束について、中共最高指導部の分裂が露呈しただけでなく、習近平が人心を掌握できず、求心力を失っている実態が明らかになったと指摘した。

劉さんは、「習近平の周囲にいる人間は、本心から彼に従っている人物は1人もいない。表向きこそ従っているように見えるが、すでに心が離れ、同じ陣営にいながら別の思惑を抱いている。私は、これはむしろ前向きな兆しだと見ている。こうした状況は、中共が近い将来、必ず行き詰まり、崩壊に向かうことをはっきり示している」と語った。

また、中国本土のメディア関係者である張さんは、張又俠が調査対象となった背景には、台湾情勢が深く関係している可能性があるとの見方を示している。

張さんは、「張又俠は、台湾への武力行使を望んでいなかった。中国にはアメリカと正面から対抗できる力がないことを、彼ははっきり理解していたからだ。台湾がアメリカの核心的利益であることも、共通の認識だ。張又俠は踏み切れなかったが、習近平にとっては、政権を続ける正当性を示すため、自身の『実績』として台湾問題に手を付ける以外に選択肢がない、ということになる」と指摘した。

張さんは、中国の予言書として知られる「推背図」にある「一人の軍人が弓を帯び、自らを白頭翁と名乗る」との予言をめぐる解釈が、苗字が「張」の将領に対する習近平の警戒感を強めた可能性があると指摘した。その延長線上で、張升民もいずれ失脚するとの見方を示した。

張さんはまた、インターネット上で張升民が辞任するとの情報が流れていることに触れ、「辞任せざるを得ないだろう。張升民自身も『推背図』の予言が持つ影響力を認識しており、張又俠と同じ結末を迎えることを望んでいない。張升民は平穏に引退できる立場にはなく、現在、中央軍事委員会の委員は事実上彼一人で、その権限は張又俠を上回るとされる。そうした立場にある以上、最終的な失脚は避けられない」と述べた。

76歳の張又俠は紅二代(中共革命に参加した高級幹部の子弟)であり、上将の子として生まれ、習近平の家系とも長年の付き合いがあった。2022年には本来退任する予定だったが、習近平の判断で続投した。今回の突然の失脚は、体制内部に大きな衝撃を与えている。

中国本土の会社員である王さんは、「習近平は張又俠が功績を重ねすぎ、自身の権威を脅かしかねない存在になっていると感じていた可能性がある」と話す。「張又俠は家柄、出身の面でも体制内で有力な存在で、権力面でも習近平に次ぐ位置にあった。そこに海外からの情報や圧力も加え、最終的に習近平が排除に踏み切った」との見方を示した。

一方、北京の学者・劉さんは、張又俠や劉振立を排除することで軍への牽制効果を狙ったとしても、習近平自身が軍事に精通していない以上、張の後任として軍を掌握・統率する人物を新たに置く必要があると見ている。

「しかし、誰が張又俠の後任になろうとも、習近平が心から信頼することはないだろう。中共はすでに延命状態にあり、体制は極めて不安定だ。今は推移を静かに見守るしかない。いずれにせよ、中共は崩れ、習近平も終焉を迎えるだろう」

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