抗酸化物質が豊富で、ビタミンCとEを多く含むバラの実、ローズヒップは、健康を支える小さなパワーフードです。免疫機能を支え、細胞の健やかな働きを助け、慢性的な炎症から体を守る働きが期待されています。生のまま楽しむほか、シロップやジャムに加工したり、果肉をスキンケア用のオイルとして利用することもできます。
この特別な果実について知り、簡単でおいしいローズヒップティーの作り方を覚えることで、自然の恵みを日々の健康づくりに取り入れることができます。
ローズヒップとは?
ローズヒップは、野生のバラの花が咲き終わったあとにできる、小さな丸形または卵形の果実です。ヨーロッパ、アジア、アメリカ本土に広く自生し、森林の縁や道路沿い、海岸地帯など、自然の生け垣でよく見られます。
アメリカでは比較的簡単に見つけられますが、自宅の庭や身近な場所にローズヒップがない場合は、多くの健康食品店で乾燥ローズヒップを購入できます。オンラインでも手軽に入手可能です。
ローズヒップは、生でも乾燥でも利用でき、パウダー、ハーブティー、ジャム、フルーツバー、チンキ、スキンケアオイル、または「オキシメル(蜂蜜と酢を合わせた飲料)」の材料として使われています。
おすすめの品種
食品利用として最も一般的なのは、ドッグローズ、ヘッジローズ、ハマナスの実です。ただし、どの種類のローズヒップも基本的に食用として安全で、毒性はありません。品種によっては、風味がやや控えめなものもあります。
ドッグローズはトゲが多く、ヘッジローズはトゲが少なく花がやや大きめです。ハマナス(ビーチローズ)は、砂浜に多く生えることからその名が付いています。
新しいバラの苗を購入する際は、古い品種のほうが、近年の交配種よりも有用な植物成分を多く含む傾向があることを覚えておくとよいでしょう。2023年に『Plants』誌で発表された研究では、現代の多くのバラは、実の質や栄養価よりも、花の見た目や香り、病害への耐性を重視して交配されていると報告されています。
ローズヒップの健康効果
ローズヒップは何世紀にもわたり、その癒しや保護の働きから、伝統医療で大切にされてきました。ハーブ療法家はローズヒップの軟膏を肌荒れに使い、祖母たちは風邪やインフルエンザ、感染症の回復期にローズヒップティーを煎じて飲んできました。関節の違和感を和らげたり、病気やけがからの回復を支える果実としても利用されてきました。
現代の研究も、こうした伝統的な知恵を一定程度裏付けています。生のローズヒップは、多くの果物や野菜を上回るほど豊富なL-アスコルビン酸(ビタミンC)を含むことが示されています。また、抗酸化成分や抗炎症作用が期待される成分も多く、免疫機能のサポートや、健やかな肌の維持、慢性的な炎症から体を守る働きが期待されています。
さらに、ローズヒップにはカロテノイド(植物色素)やトコフェロール(脂溶性抗酸化物質)も多く含まれ、体内でビタミンAやEとして利用されます。これらの栄養素は、視力の健康維持や肌の弾力を保つこと、細胞を酸化ストレスから守る働きに関与します。
種子には必須脂肪酸が含まれ、果肉にも少量ながら含まれています。これらの良質な脂質は、コレステロールバランスの維持や脳機能のサポート、高血圧などの改善に関与する可能性があります。2023年の研究では、これらの脂質と抗酸化成分の組み合わせが、ローズヒップオイルの保湿や保護作用に大きく寄与していることが示されています。
ただし、生のローズヒップを使ってお茶を淹れる場合は、丸ごと使ってから必ず濾すことが大切です。種子には細かな毛状の繊維があり、口や喉、消化管の粘膜を刺激する可能性があるためです。

収穫と下処理
ローズヒップは初秋に赤く色づき、触ってしっかりとした硬さが感じられる頃が収穫の目安です。緑色のものや、茶色く変色し始めたものは避けましょう。気温が下がるにつれて自然な甘みと柔らかさが増し、ハーブティーやジャム作りに向いた状態になります。
収穫は、農薬が使われていない清潔な場所で行ってください。トゲから手を守るため、手袋や剪定ばさみを使うと安心です。収穫したローズヒップは、生のまま使うほか、保存して長く楽しむこともできます。完全に乾燥させた実は、密閉容器に入れて冷暗所で最大1年間保存できます。
注意事項:必ず自分で正しく識別できる植物のみを収穫し、必要な分だけ採りましょう。ローズヒップは、冬を越す野生動物にとっても貴重な食料です。
ローズヒップティー
ローズヒップティーは、免疫機能を支え、豊富な抗酸化成分によって細胞ダメージから体を守る働きが期待されます。材料はローズヒップと水だけです。
材料:
・乾燥ローズヒップ……小さじ1〜2(生の場合は約1/4カップ)
・水
※濾すことで、口や喉、消化管を刺激する恐れのある種子や細かな毛状繊維を取り除けます。
作り方:
- 花の柄や、実の黒ずんだ先端部分を取り除きます。
- 乳鉢と乳棒で軽く砕き、成分が出やすくします。
- 細かい茶こしやティーフィルターに入れ、熱湯を注ぎ、15〜20分蒸らします。
- 最後にしっかり濾し、毛状繊維が残らないようにします。
別の作り方:
- 砕いた実を鍋に入れ、沸騰した湯で10分ほど煮ます。
- 火を止めてさらに10分置き、細かいこし器で濾します。
一日を通して楽しめます。お好みで甘味料やレモンスライスを加えると、さわやかな酸味が引き立ちます。
季節のヒント:ローズヒップティーは、ハイビスカスやレモンバームと合わせると、夏にも飲みやすい風味になります。レモンと氷を加えれば、涼やかなドリンクとして楽しめます。
自由な発想で楽しんでみてください。ノバラとその実は、キッチンでも、ハーブや薬草のある暮らしの中でも、さらにはテーブルを彩る花としても美しく映えます。ハマナスの花びらは食用にもでき、デザートやドリンク、サラダの飾りとして、生のままでも、乾燥させても、砂糖漬けにしても楽しめます。
(翻訳編集 井田千景)
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