2026年3月11日、仏南部フォス=シュル=メールの石油貯蔵施設。IEA加盟32カ国は同日、中東情勢の悪化を受け、過去最大となる4億バレルの石油備蓄放出を決定した(写真:Thibaud MORITZ / AFP via Getty Images)

日本政府「IEAによる石油備蓄の協調放出」に支持表明

令和8年3月11日、日本政府は茂木外相が外務大臣談話を発表し、中東地域における原油の生産及び輸出の減少に伴う市場の悪化に対処するため、国際エネルギー機関(IEA)が決定した石油備蓄の協調放出を歓迎すると表明した。この決定により、IEA加盟国は合計4億バレルの石油備蓄を協調して放出することとなる。

本談話において外務省は、今回の協調放出が、国民生活の基盤であるエネルギーの安定供給と市場の安定化に向けて、IEA加盟国が連帯して対応する決意を示すものだと位置づけている。原油市場をはじめとするエネルギーの安定供給の確保は、世界経済のみならず、日本の経済や国民生活の安定にとって極めて重要である。日本政府としては、中東地域の事態を早期に沈静化させるためのあらゆる外交努力を継続するとともに、IEAなどの関係国際機関や主要な消費国・産油国とも連携し、機動的に対応していく方針である。

今回の対応を主導するIEA(International Energy Agency)は、第1次石油危機後の1974年に、当時のキッシンジャー米国務長官の提唱を受け、経済協力開発機構(OECD)の枠内における自律的な機関として設立された。現在では、石油やガスの供給途絶といった緊急時への準備・対応にとどまらず、市場分析や中長期の需給見通しなど、エネルギー政策全般を幅広くカバーしている。

▶ 続きを読む
関連記事
7日午後、NATO首脳会議において、日米韓の3か国の外相は、中共海軍が6日に原子力潜水艦から弾道ミサイルを発射した事態について懸念を共有。日米韓による「戦略的連携」を示し続けることの重要性を改めて確認した。
高市早苗首相とインドのモディ首相は、エネルギー、技術、防衛分野での協力を強化することで一致したと表明した。アジアの二大国は、中国への経済的依存を減らし、より強靭なサプライチェーンを構築しようとしている
7月2日、インドの首都デリーで、日本の高市早苗首相とインドのナレンドラ・モディ首相による日印首脳会談が行われた […]
高市総理はインドを訪問し、経済安保や投資連携の強化を協議する。モディ首相との会談や経済フォーラムを通じ、戦略的利益を共有。中国の威圧を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す
激動の中東情勢やサプライチェーンの危機に対し、高市総理がG7サミットで共同備蓄連携を提案し合意を形成。英仏独伊やトランプ米大統領、欧州の「準同盟国」との多層的な連携で挑む高市外交の全貌を解説