イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が2024年12月8日にゴラン高原で演説する様子を捉えた動画。GPO (ロイター経由)/スクリーンショット(エポックタイムズ経由)

イラン内部にモサドの諜報網 防諜要員21人がイスラエルに寝返り

米国とイスラエルが連携してイランに軍事攻撃を行い、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害した軍事作戦について、その情報戦における精度の高さが注目を集めた。正確な情報がどこから得られたのかをめぐり、諜報活動の実態に改めて関心が集まっている。

この問題に関連し、イランの元大統領アフマディネジャド氏が過去のインタビューで明かした「21人の二重スパイ」の内幕が再び注目されている。

2024年、アフマディネジャド氏はトルコのテレビ局「CNNトルコ」のインタビューで、イラン国内のスパイ活動を取り締まる専門チームのトップが、実はイスラエルのスパイだったと証言した。さらにチームに所属していた残り20人も全員寝返り、イランの核兵器に関する機密情報を流出させていたという。

同氏によれば、この21人は表向きはイランの防諜要員だったが、実際にはイスラエルの情報機関モサドに協力していた。モサドは情報収集や秘密工作、対テロ任務などを担うイスラエルの対外情報機関で、ネタニヤフ首相に直接報告する組織として知られる。

こうしたスパイ工作は、イスラエルの複数の秘密作戦に寄与している。核科学者の暗殺作戦のほか、2018年にはテヘランからイランの核計画に関する機密文書を持ち出し、イスラエルに送信したとされる。これらの文書はネタニヤフ首相によって公表された。

報道によれば、これらの文書は、米国のトランプ大統領が2018年に「イラン核合意」からの離脱を決断するうえで、後押しする要因の一つになった。

核合意はイランと米国、英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国、さらにはEUが署名した国際的な枠組みで、イランの核開発を制限する代わりに経済制裁を緩和する内容だった。しかし2018年4月末、ネタニヤフ氏はモサドの情報に基づき、イランが秘密裏に核兵器開発を進めていた証拠を公開した。これを受けて数日後の5月8日、トランプ氏は核合意からの離脱を正式に発表した。

その後、2021年になって初めて、イランの防諜要員が二重スパイだったことが発覚した。ただ、最終的には彼らを含むモサドのスパイとされる人物たちはイランからの脱出に成功し、イスラエルに在住している。

長年にわたり、モサドはイラン政府内部への浸透を進めてきたとみられる。報道によれば、イランの元閣僚はかつて、イスラエルによる長期的な浸透を理由に、テヘランの高官は自らの身の安全を心配すべきだと警鐘を鳴らしていた。

今回の軍事行動でも、米CIAが事前にハメネイ師や政府高官が出席する秘密会議の日時と場所を把握しており、こうした情報を基に、米イスラエル両国は指導部を一挙に攻撃したとみられている。

関連記事
世界の原油在庫が数年ぶりの低水準にある脆弱な局面において、世界経済は「エネルギーの喉元を締められる」厳しい試練に直面している。ただし同時に、これについて楽観的な分析を示す専門家もいる。
米国とサウジアラビアが30年間にわたる民生用原子力協力協定に正式に署名した。同協定は同国のエネルギー転換にとって極めて重要視されている。その一方で中東地域全体で危険な核軍拡競争を引き起こすと懸念の声も上がる
イラン大統領府向けの機密報告書で、国民の政府への怒りや政権不信が深刻化していることが明らかになった。80%超が食料不足に直面し、専門家は新たな抗議の可能性を指摘している
米エネルギー大手シェブロンが、イラクの油田への投資とシリア経由のパイプライン建設を検討している
米軍が来週にも、イランのエネルギー施設や発電所への空爆に踏み切る可能性があると報じられた。一方、トランプ氏は、イラン側が米国に接触し、合意を求めてきたと説明。さらに、米国人1人が釈放されたことも明らかにした