令和8年3月14日、高市総理は、神奈川県横須賀市にある防衛大学校の卒業式に出席し、卒業生へ訓示を行った(出典:首相官邸ウェブ)

防衛大卒業式 高市総理の訓示が示す日本の針路

令和8年3月14日、防衛大学校の卒業式および任命・宣誓式が厳粛な雰囲気の中で挙行された。自衛隊の最高指揮官たる高市早苗内閣総理大臣が出席し、幹部自衛官として最前線へ巣立つ20代前半の若者たちに向け、直接言葉を投げかけた。今年の訓示にはどのようなメッセージが込められていたのか。

 今年の訓示における最重要トピックは、「防衛力の抜本的強化」と、日米同盟などを基軸とした「多角的な安全保障協力」の深化である。総理は現在の安全保障環境について、ロシアによるウクライナ侵略や、中国・北朝鮮のさらなる軍事力増強、中露・露朝の連携強化などを挙げ、「戦後最も厳しく複雑なもの」と強い危機感をもって表現した。 総理が卒業生に贈った最も力強い言葉は、自衛官の服務の宣誓の一節、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえる」である。総理自身もこの宣誓を胸に刻んで日々職務に当たっていると語りかけ、卒業生一人ひとりが「国民の命と平和な暮らしを担う砦」であるという強い自覚を持つよう求めた。

この危機感に満ちたメッセージの背景には、卒業生が入校した2022年以降の加速度的な情勢変化がある。政府は国家安全保障戦略をはじめとする「三文書」に基づき防衛政策を転換してきたが、厳しい現実を前に、本年中の前倒し改定に向けた検討を進めているという。 また、自衛隊を取り巻く戦いの様相も劇的に変化している。無人機の大量運用を含む「新しい戦い方」への備えや、2022年以降急速に普及した生成AIなど、最先端科学技術の進展による高度な技術戦への対応が急務となっている。自衛隊の役割は従来の領域にとどまらず、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進やグローバルサウス諸国との連携強化など、国際的なプレゼンスの発揮へと広がっている。

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