2026年1月、制裁対象のタンカー「ベラ1号」の横に停泊する米沿岸警備隊の巡視艇。(米国沿岸警備隊提供)

米報告書 中共が「影の船団」を通じて制裁対象原油を購入

ロシア・ウクライナ戦争および中東情勢の影響を受け、西側諸国はロシア、イラン、ベネズエラなどに対しエネルギー制裁を実施している。しかし、米下院「米中戦略競争特別委員会」が3月31日に発表した報告書は、北京が「影の船団(シャドー・フリート)」を通じて制裁対象原油を大量に取り込み、安価なエネルギーを獲得するのみならず、西側による専制政権への圧力をも弱体化させていると指摘した。

この『原油の意図(Crude Intentions)』と題された報告書によると、中国はすでに制裁対象石油の主要な受け皿市場となっている。制裁対象原油は中国の石油輸入総量の約5分の1を占めるという。2026年初頭までに、中国の原油備蓄は約12億バレルに増加し、海上輸入の約109日分に相当する水準に達した。

この制裁回避体制の中核をなすのが、いわゆる「影の船団」である。所有権が不明で偽の旗を掲げたタンカーで構成され、洋上での積み替えにより産地を隠蔽する仕組みである。委員会は、こうした船舶がエネルギーだけでなく、機密機器や人員、さらには武器を輸送している可能性があると警告した。

▶ 続きを読む
関連記事
中露やイランが推進する「脱ドル化」と人民元の国際化。しかし最新データは、その勢いがロシア制裁による一時的な代用需要に過ぎず、既に下落に転じている実態を暴く。揺るがぬドルの覇権と人民元の限界を鋭く分析
トランプ政権が敵対的政権の金融センターを標的に定めたことで、中国に対する米国の「戦略的曖昧さ」の時代は終焉を迎えた
日米英を含む10か国は共同で警告を発し、中国共産党との関係が指摘されるサイバー攻撃者が、スマホなど日常生活で使われるスマート機器を大規模に悪用し、攻撃用の不正ネットワークを密かに構築していると指摘
米財務省は24日、イラン関連の新たな制裁を発表し、中国の製油所「恒力石化(大連)煉化有限公司」や、海運会社、イラン産石油を密かに輸送する「影の船団」に属する船舶などを制裁対象に追加した
メディアの報道によると、アメリカ防総省内部では、イラン戦争でアメリカを支援しなかったヨーロッパの同盟国に対し、懲罰的措置を取ることが検討されているという。スペインをNATOから除名する案も取り沙汰されている