ニュージーランド 中共の大規模スパイ活動を名指し 情報収集を警戒

2026/08/14 更新: 2026/08/14

長年、ニュージーランドは「ファイブ・アイズ」の中で最も脆弱な一角で、中国共産党(中共)の威圧を最も受けやすいと考えられてきた。しかし、状況は以前とは異なる。最近、ニュージーランドの複数の情報機関は脅威評価で中共を名指しし、一部の当局者は冗談交じりに「ニュージーランドの対中共姿勢はオーストラリアより強硬だ」と語っている。

戦略国際問題研究所(CSIS)の研究員アンナ・フィフィールド氏は、オーストラリアの独立系国際政策シンクタンク、ローウィー研究所のウェブサイトに寄稿した最新記事で、ニュージーランド安全情報局が8月13日に発表した最新の年次脅威評価報告書を取り上げた。

報告書は、多くの外国情報機関が情報収集を進め、とりわけ中共の情報機関がニュージーランドや同盟国を対象とした情報収集を大幅に強化していると指摘した。重要資産の情報入手が目的だという。

記事はさらに、多くの国がニュージーランドでスパイ活動を行っているものの、大規模なスパイ活動を行っているのは中共だけだと強調した。

フィフィールド氏によると、ニュージーランドの情報機関は過去4年間、中共の情報活動について警告を続けてきた。政治・商業分野でのスパイ活動、影響力の拡大や浸透工作、ニュージーランドの華人コミュニティーに対する抑圧などが含まれる。

一方、オーストラリア保安情報機関のマイク・バージェス長官は、同様の脅威評価報告書で中共を直接名指ししていない。

中共は、ニュージーランドの厳しい論調に強く反発し、ニュージーランドを黙らせるか、少なくとも姿勢を軟化させようとしてきた。

今年6月には、台湾を訪問したニュージーランドの国会議員4人に渡航禁止措置を科し、改めてレッドラインを引こうとした。さらに先月には、ウィンストン・ピーターズ外相が中共について「平然とうそをつく」と述べたことに対し、中共が強く非難した。

ニュージーランドの地政学的重要性

ニュージーランド安全情報局のアンドリュー・ハンプトン局長は、報告書の序文で、ニュージーランドは太平洋に位置し、南極に近く、世界各地との結び付きも強いため、地政学的に重要だと指摘した。特に現在のように国際秩序が不安定な状況では、脅威となる勢力にとって魅力的な標的になるという。

今後数か月、国際情勢は厳しい局面が続く。ニュージーランドは11月に総選挙を控え、懸念も高まっている。

ニュージーランドは最近、他の「ファイブ・アイズ」加盟国と共同で、中共がオンライン求人を使った世界規模の人材勧誘を強めていると警告した。中共は求人サイトで高額報酬を提示し、外国人に機密情報や機微情報を盗ませようとしているという。主な標的は、国家安全保障上の機密取扱資格を持つ外国人、軍関係者、政府の機微情報にアクセスできる人物などだ。

フィフィールド氏の記事は、公共・民間部門への外国政府や代理人の働きかけが増えており、来年には外国政府によるスパイ活動がさらに活発化すると警告した。スパイ活動を行う国は、目的達成のために手段を選ばないという。

記事によると、外国の情報機関が狙うのは機密情報だけではない。大学や研究機関の研究成果も標的だ。AIやドローンなど商用技術の軍事利用が進み、軍事技術と民生技術の境界がますます曖昧になっている。通常の民生技術も軍事技術として再開発できるためだ。

フィフィールド氏はさらに、外国政府の情報機関が海外のフロント企業やサプライチェーン上の仲介業者を利用し、もっともらしい名目で機微技術を不正入手する手口にも警告した。

ニュージーランドの宇宙研究をめぐっては、中国(中共)科学院紫金山天文台が、ニュージーランド国内に宇宙関連の地上インフラを設置しようとしたケースがあった。

また、ロシアの国家機関が、ニュージーランドに登記された企業のオフショア子会社を通じて、制裁対象となっている特殊部品を入手し、ロシアの軍事能力強化を図ったケースもある。

李平
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