2026年3月11日、ドバイ沖の商船。近ごろ複数の商船がイランの襲撃を受け、ホルムズ海峡の航行安全が脅かされており、世界のエネルギー経済が危機に陥っている(AFP=Getty Images)

イランの資金源は? 中共が戦争支える数百億ドル規模の資金源に

米国による制裁が継続的に強化される中、海外メディアは、中国共産党が近年イラン産原油の購入を大幅に増やしており、その結果、イラン政権は紛争下においても数百億ドル規模の収入を確保し、経済および軍事運営を維持していると指摘している。これらの資金の流れは、イランの戦争遂行を支える重要な資金源の一つと見なされている。

米紙『ウォールストリートジャーナル』の6日付の記事は、過去5年間にわたり、中国共産党がイラン産原油の大部分を購入することで、イランに財政的な生命線を提供してきたと報じた。

同記事によれば、トランプ政権第1期において、米国は「最大限の圧力」政策を打ち出し、イラン産原油の国際市場での流通を断ち切り、イラン政権の最大の収入源を排除することを目的としていた。

しかしその後、中共によるイラン産原油の輸入量は大幅に増加し、10年前には輸入全体の約30%だったものが、昨年には80%以上に達した。言い換えれば、イランの石油のほぼすべてが中共へ流れている状況にある。

大紀元のコラムニスト 王赫氏:「米国とイランは数十年にわたり対立し、制裁も同様に長年続いてきた。その過程で、中国共産党は常にイランと結びつき、石油にとどまらず多くの協力を行ってきた。これは双方の深い結びつきを示している。さらに両者は、総額4000億ドル規模、期間25年に及ぶ大型協定も締結しており、石油はその協力の中心分野だ」

市場分析企業ケプラーの試算によると、昨年に中共が輸入するイラン産原油は1日あたり約140万バレルで、2017年の約65万バレルの2倍以上に達している。

台湾「国防安全研究院」の副研究員 謝沛学氏:「イランの核施設や核計画、さらにはフーシ派やヒズボラといった代理勢力も、資金支援を依然受けている。これにより制裁の抑止効果は弱まる。簡単に言えば、中共の長期的な支援がなければ、イランはこの戦争を遂行できない」

中共とイランは緊密な取引関係を維持するため、世界最大規模とも言われる制裁回避ネットワークを構築してきた。

報道によると、決済は主に小規模な中国系銀行を経由して行われている。これらの銀行は国際業務が限定的であり、仮に米国の制裁を受けても損失が小さいため、阻止することが難しいとされる。また、イランは香港などに設立したダミー会社を通じて資金管理を行っているとされる。

謝沛学氏:「こうした北京当局の回避手法は、今後米中間の構造的対立を一層激化させる可能性がある。例えば米議会が、中国企業に対して対イラン取引を理由に追加制裁を強化する可能性がある。トランプ政権の『最大限の圧力』の枠組みのもとでは、貿易戦争と金融制裁が重なる可能性が高まる」

一方で、米国の反発を懸念し、中国の大手国有エネルギー企業はイランとの取引から撤退した。その結果、「ティーポット」と呼ばれる多数の中国の小規模民間製油所が、イラン原油の主な買い手となっている。

また、中共は非国有石油企業に対する輸入枠を拡大し、2018年の1億4000万トンから、今年は2億5700万トンへと引き上げた。

王赫氏:「中共とロシアは、イランを利用して米国と西側の注意をそらし、消耗させようとしている。しかしこの20年以上の流れ、特にトランプ政権以降の強硬措置を踏まえると、その戦略は基本的に行き詰まっている」

さらに制裁回避の手法として、小規模機関によるリスク分散のほか、偽の領収書やラベルの改ざんなども行われている。

謝沛学氏:「中共は現在、並行的な金融秩序の構築を進めている。これはイラン支援や近年のロシアとの関係を通じて、西側制裁への対抗手段を試験しているとも言える。将来、台湾海峡で衝突が起きた場合に備えた実験的意味合いもあり、この回避ネットワークはイラン問題を超えた戦略的意義を持つ」

輸送面では、イランは「影の船団」と呼ばれるタンカー群を使って石油を輸送している。これらの船舶は航行中に船名を変更したり、位置情報を遮断したり、洋上で積み替えを行うことで原産地を隠している。

この仕組みにより、イラン政権は毎年、中国から数百億ドルの収入を得ているとされる。さらに今年、イラン戦争が勃発した後も、このネットワークは機能し続けている。

こうした中、中共とイランの結びつきは、米中戦略競争における新たな火種となる可能性があるとの見方も出ている。

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