中共空母「遼寧」 宮古海峡からフィリピン周回へ 不可解な訓練航路を分析
10月、中国の空母「遼寧」が今年2度目の遠洋訓練に出た。台湾や日本の周辺海域にとどまることなく、第1列島線の内外を何度も行き来し、フィリピンを回り込む航路を取った。折しもフィリピンでは拡大ASEAN国防相会議が開かれており、フィリピンや東南アジア諸国連合(ASEAN)を威嚇する狙いがあったように見える。しかし、仮想敵の勢力圏にある狭い海峡を繰り返し通過するのは、軍事上、大きなリスクを伴う行動だ。中国共産党(中共)軍内部の混乱が、今なお訓練に影を落としている可能性がある。
日本の防衛省は10月14日、「遼寧」(艦番号16)が駆逐艦3隻とともに宮古海峡を通過し、西太平洋に入ったと発表した。中共の機関メディアも、珍しくこの動向を報じた。当時、西太平洋では日米共同演習「キーン・ソード27」が始まろうとしていた。しかし、「遼寧」は台湾東方の海域を足早に通過し、16日にはルソン海峡を抜けて南シナ海に入り、第1列島線の内側へ戻った。
19日に始まった「キーン・ソード27」では、アメリカの空母「セオドア・ルーズベルト」が主力を担い、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、オランダも参加した。訓練は海上作戦や上陸作戦、ミサイル防衛に加え、宇宙、サイバー、電磁波の各領域に及んだ。演習には日本の25式地対艦ミサイルも投入され、米軍は与那国島に地対艦ミサイルを、石垣島に高機動ロケット砲システム「ハイマース」を配備した。中共による台湾侵攻を想定し、反撃の構想を示した形だ。
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