【大紀元日本5月21日】17日付の『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に掲載された論文によると、人々の「幸福度(well-being)」は「U字型」を示し、男女とも、全体的な生活の充足感は50歳代前半まで下降するものの、そこから再び上昇するという。
この調査研究は、ニューヨーク州立大学ストーニブルック校によるもので、18歳から85歳まで、ランダムに選出された34万人を対象に電話インタビューを行い、「ストレス」「心配」「幸せ(happiness)」などといった普段の生活で感じる要素について評価してもらった。
収集したデータサンプルを分析した結果、「幸せ」や「楽しさ」は50代前半で底をつき、その後再び上昇する。「ストレス」や「心配」は、18歳~25歳の間に急上昇し、その後「ストレス」は年齢が上がるとともに下降線をたどり、50歳代半ばで急減するが、「心配」は40歳代後半まで横ばいで、その後緩やかに減少する。「怒り」は30歳代でピークを迎え、年齢とともに下降しているという。
総体的に、各指標を総合した「幸福度」は25歳で急降下し、そこから50歳代前半まで徐々に下降するが、その後再び上昇し、60歳代半ば以上の人々は18歳~21歳の若い層と共に、自分の生活を最も幸福だと評価している。
研究を率いるアーサー・ストーン(Arthur Stone)氏はこの結果について、「子供の成長や独立などとの関係がある」、「年を取ると人々はよりうまく自分の情緒をコントロールすることができる」、「高齢者は否定的な記憶より肯定的な記憶を思い出しやすい」など、さまざまな要因が働いていると推測している。
なお、日本の『国民生活白書』によると、米国で見られる「U字型」は、日本では見られないという。「67歳を底にして79歳にかけて幸福度はほとんど高まらないL字に近い形状を取っている」と指摘している。
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