【東北再興】消えない傷跡(3)わすれないためにセンター

【大紀元日本12月14日】被害者と通常の生活を送っている日本人との格差を埋めようとする試みとして、仙台市には「3がつ11にちを わすれないためにセンター」(略称・わすれン!)が設置された。仙台市教育委員会が管轄する複合文化施設「せんだいメディアテーク」の2階に開設されたもので、センターの目的は、市民、専門家、スタッフが恊働し、復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくことにある。

収録された映像、写真、音声テキストなどは、「震災復興アーカイブ」として記録保存される。センターには「スタジオ」と「放送局」があり、震災体験を語り直し、支援を考えるUstream 「わすれンTV311」も放送中。メディアを通した支援活動の応援、震災の記憶の蓄積を広く呼びかけている。放送内容はこちら。http://recorder311.smt.jp/

センター学芸員の清水チナツさんは、当初は、ほとんどがボランティアによるインタビューだったが、被災者も関わるようになり、自分たちの体験を自ら記録するようになったと、いきさつを説明してくれた。

おかげで、マスメディアに写る被災者と、被災者が本当に思っていることのギャップを埋める役割を果たしている。清水さんは、地震の直後マスコミが、東北の人々は愚痴ひとつ言わず本当に我慢強い、と報道した例を挙げた。「実際のところは、我慢強いのではなくて、言葉も出なかったんだと思います。どう話していいのかすら判らず、理解してもらうのをあきらめてしまった、というのが現実でしょう」

(続く)

(記者・シンディ・ドルーキエ 現地取材協力・こだまたくや  翻訳・鶴田)