輸出量は高まるが安全性の低い中国食品(Jones/AFP/GettyImages)
【大紀元日本11月5日】東地中海の島国・キプロスでは冷凍イカからヒ素を検出。イタリアではパスタの中から蛆を発見。デンマークに運ばれたカボチャの種にガラス片が混入され、偽造文書問題によりスペインでは冷凍アヒル肉の出荷を停止した。これらのすべては中国産。「欧州は中国からの食品輸入で苦難に満ちた1年を経験した」とニューヨーク・タイムズは報じた。
9月では独ベルリンやその他4州にある数百か所の学校で1.1万人の児童に食中毒の症状が現れていた。中国から輸入した冷凍イチゴが原因であることは後に突き止められた。イチゴの栽培、収穫、冷凍は孔子の故郷である山東省曲阜市で行われたと独メディアは報じている。
独デア・シュピーゲル誌によると、2005年から2010年の間で中国から欧州への食品輸出額はほぼ倍。ドイツでは2009年以来、中国からの食品輸入は26%増加している。
中国人民大学の食品安全専門家である周立教授は同誌の取材時に、中国の農民は売り物と自家用のものを別々に生産していることを明かした。売り物には殺虫剤や化学肥料などを使うが、自家用のものは伝統的方法で生産している。「多くの富裕層は菜園を購入し、スーパーの野菜に頼らない」「一部の土地では政府高官に供給するための農産物を栽培している」と同誌は伝えた。
上海復旦大学の大学院生の呉恒さんは以前、食品安全は自分には関係がないと考えていたが、あるとき自分が好んで食べていた牛肉の安全問題事件のニュースを目にし、危機感を覚え、友人らとともに全国各地で起きている食品安全事件を取りまとめた「有毒食品ウィキペディア」を作成。ネット上に掲載し始めたところ、1週間で訪問量は200万件を超えていた。
このサイトの名前は『擲出窓外』という。「窓の外へ投げてしまえ」という意味のこの名前は米国第26代大統領セオドア・ルーズベルトの話からひらめいたそうだ。米国の作家アプトン・シンクレアは、1906年に出版した小説『ジャングル』のなかでシカゴの精肉産業での実態を告発し、この小説を読んだルーズベルト元大統領は朝食のソーセージを窓から投げ捨てたという。
呉さんは国内メディアに対し、ルーズベルト元大統領が窓からソーセージを投げ捨てた行動は、世界の食品安全の歴史上における分岐点であり、自分のサイトも同じように警鐘を鳴らし、人々がさらに中国の食品安全に注目するよう期待していると述べた。
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