ある観光客が台北動物園に行きましたが、帽子がゾウ舎の溝に吹き込まれました。子供たちはゾウに助けを求めたところ、意外にもゾウがさわやかに帽子を投げ返してくれました。
ケリー・ツェンはフェイスブックで、2人の子供を連れて台北動物園に遊びに行きました。そこで、いきなり風が彼女の帽子をゾウ舎の溝に吹き込んだそうです。深い溝を見て、彼女は帽子を取り返せないと思いました。その時、4歳の息子と2歳の娘が垣のそばに立って、ゾウに向かって叫び続けました。「ゾウさん、帽子を落としてしまったの。助けて」
ケリー・ツェンは息子に言った、「ゾウがどうしてわかるの、理解できるはずがないでしょう!」
しかし、続いて起きた出来事にケリー・ツェンはおどろきました。ゾウがゆっくりと歩いて来て、長い鼻を使って帽子を拾い、子供に体を向けたのです。
2人の子供はずっと叫んでいました。「投げて!投げて!投げて」
そうすると、ゾウは鼻をなめ、大いに叫びながら本当に彼らへ帽子を投げました。
この魔法のような光景で、現場の観光客も大声で叫びました。
驚いたケリー・ツェンは、ゾウに「ありがとう」と叫びました。
ネットユーザーは、ビデオをみて「感動の瞬間だよ」「本当に理解しているんだ」と言いました。
動物園の管理員によると、帽子を拾ってくれたゾウは、千惠(チエンホゥイ)という37歳のアフリカの雌ゾウで、1986年に入園しました。ペディキュア、蹄ケア、採血、体重などの健康診断を常に飼育係と行っていたため、チエンホゥイは人間の言葉に馴染みました。
実は、ゾウだけでなく、犬を含む多くの動物は人の声を多かれ少なかれ理解できることは、近年の科学研究によって確認されています。
「カレントバイオロジー」誌の2016年11月号にこういう研究が掲載されました。サセックス大学(University of Sussex)心理学研究科のビクトリア・ラトクリフ博士とデビッド・レビー博士は実験を行うために250匹以上の犬を用意しました。犬の左右から同時に音を鳴らし、犬が反応する方位を記録します。
ラトクリフによると、人間は通常、左脳を使用して文の内容を理解する反面、右脳は音の特性、男性か女性か、および感情などを分析します。
この研究では、左右で同じ内容の指示、例えば明確な言葉や、個人的な特徴がない時の「来て」などを聞かせた時、80%の犬は頭を右側に向けます。これは犬が右耳で聞いていて、左脳でメッセージを理解することを意味します。しかし、指示が外国語に変更されたり、音声が混雑されたりすると、頭はほとんど左に向けられます。これは左耳で聞き、右脳で処理していることを示します。
これは、人間と同様に、犬も脳のさまざまな領域で相手の馴染みの文章や感情やイントネーションに反応し、大体の人の声を理解できることを示しています。
動物のこんな能力は動物の飼いならしと関係しているかもしれませんが、チエンホゥイは子供たちの気持ちを感じたのかもしれません。すべてを科学研究で答えられるかどうかはともかく、チエンホゥイの賢さは本当に素晴らしいことです。
(大紀元日本ウェブ編集部)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。