中国 旧正月前の恒例行事で起きた思わぬ騒動

屠殺直前 豚が大逃走=中国

2026/02/17 更新: 2026/02/17

中国・広西チワン族自治区南寧市(なんねいし)で2月8日、飼育していた豚をさばこうとした現場で、思わぬ騒動が起きた。準備が整い、いよいよという場面で豚が突然暴れ出し、近くの池へ飛び込んだのである。

動画には、池の中を行き来しながら必死に泳ぐ豚の姿が映っている。岸では、あっけにとられて立ち尽くす人々の姿や、小舟で回り込み逃げ道をふさごうとする人の様子も確認できる。すでに熱湯も準備されていたといい、現場は一時騒然となった。

中国の農村部では、旧正月前に家族で豚をさばく習慣が今も残っている。祝い事であり、冬の大きな行事のひとつである。今回もその伝統的行為の中で起きた出来事だった。

しかし今回、命の危機を察したかのように水へ飛び込む豚の姿は、多くの人の心を揺さぶった。ネット上では「ここまで逃げるなら放してあげてほしい」「動物も分かっているのではないか」といった声が相次いだ。一方で、「昔からの習慣だ」「食べるために育てている」といった冷静な意見も寄せられた。

「結局どうなったのか」という声も少なくないが、動画は逃走の場面で終わっており、その後の様子は公開されていない。

実は、豚は逃げるだけではない。時に人の心を打つような「不思議な振る舞い」を見せることもある。

今年1月8日、貴州省のある村民の家で年越し用の豚をさばこうとした際のことである。まきに火を起こし、熱湯の準備も整い、皆が取りかかろうとしたその時、豚が突然、両ひざを地面についた。暴れることも鳴き叫ぶこともなく、ただ静かに頭を垂れていたという。まるで主人に許しを請うているかのようなその姿に、居合わせた人々は衝撃を受けた。飼い主はその様子に耐えきれず、この豚を殺すのを思いとどまり、再び豚小屋へ連れ戻したと伝えられている。

中国の民間には、古くから「豚には殺してはならない場合がある」という言い伝えがある。それは、豚がその場にひざまずいた時、足の指が五本ある時、そして体が黒く頭だけが白い時を指すという。年配の人々は「昔から伝わることには理由がある」と語り継いできた。

一方で、こうした言い伝えを迷信と見ることもできる。しかし、命を前にしたとき、人の心が揺れる瞬間が確かに存在することを、これらの出来事は静かに物語っている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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