世界平和統一家庭連合  教団に解散を命じた東京高裁の決定を不服として最高裁に特別抗告

2026/03/09 更新: 2026/03/09

世界平和統一家庭連合は9日、教団に解散を命じた東京高裁の決定を不服として、最高裁に特別抗告を行った。

東京高裁は3月4日の決定で、1973年3月から2016年6月にかけて献金勧誘により約74億円の損害が生じたと認定した。信者らが身分を隠して献金勧誘を行うなどの行為は悪質であり、多額の損害が発生した結果は重大だと指摘。そのうえで、教団が自発的に十分な対策を講じることは期待しがたく、法人の解散はやむを得ないと判断した。

教団側はこれを不服として最高裁に特別抗告した。ただし特別抗告には執行停止の効力がないため、東京地裁が選任した清算人による献金被害者への弁済などの清算手続きは継続される。今後、最高裁が高裁の判断を覆した場合に限り、解散の効力が停止し、清算手続きも止まることになる。

教団側は今回の司法判断について「事実と証拠に裏付けられない結論ありきの不当な判断だ」と強く反発している。教団は声明で、「不当な司法判断を容認せず、特別抗告を含め信教の自由を守るため闘い続ける」と主張した。

教団はこれまで、2009年の「コンプライアンス宣言」以降は被害が減少していると説明してきた。また、2025年秋以降に元信者らとの間で総額39億円超を支払う調停が成立したことを挙げ、補償委員会を設置して被害者対応を進めているとしている。一方で、法人解散によって、これまで進めてきた被害申告者への補償が継続できなくなる可能性があることについて「非常に残念だ」との見解を示している。

さらに教団側は、一審の東京地裁が認定した約204億円の被害額についても問題があると主張してきた。約186億円分を占める和解や示談を含めて算定した点は「不法行為の水増しだ」と批判し、具体的な事実の裏付けがない推測に基づく判断だと訴えていた。

この解散命令を巡っては、海外からも信教の自由の観点から懸念の声が上がっている。

米共和党のマイク・ポンペオ元国務長官は3月4日、交流サイト(X)で、東京高裁の決定について「宗教の自由を重視するすべての人にとって懸念すべき事態だ」と表明した。そのうえで、日本の政治指導者に対し、この判断が基本的自由に与える影響について慎重に検討すべきだとの考えを示した。

また2025年10月1日には、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がプレスリリースを発表し、4人の国連人権専門家が今回の解散命令について懸念を表明した。専門家らは、解散命令の根拠とされた「公共の福祉に対する重大な害悪」という基準について、「公共の福祉」という概念は曖昧で範囲が広く、これを理由に信教の自由を制限することは自由権規約(ICCPR)の許容範囲を超える恐れがあると指摘した。

さらに専門家らは、学校教育などの場で特定の宗教を特別視することが、かえってレッテル貼りによる差別を生む可能性があるとの懸念も示している。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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