米駆逐艦が中国領有権主張の南シナ海海域を航行、中国側は非難

[ワシントン 28日 ロイター] – 米海軍のミサイル駆逐艦「ウェイン・E・マイヤー」が28日、中国が領有権を主張する南シナ海の海域を航行した。米軍が発表した。

第7艦隊の報道官を務めるモムセン司令官は、同駆逐艦が南沙諸島の永暑礁(ファイアリークロス礁)および美済礁(ミスチーフ礁)から12海里(22キロ)以内の海域を航行したと発表。「海洋を巡る過度の主張に対抗する狙いがあるほか、国際法で定められた海路を確保するため」に行ったと説明した。

中国軍の李華敏報道官はこの日これより先に出した声明で、同駆逐艦が南沙(スプラトリー)諸島周辺の中国の領海に中国政府の許可なく侵入したため、領海から出るよう警告を発したと明らかにしていた。

李氏は「米国のいわゆる『航行の自由』は、実際は海洋覇権の主張であることが明白で、これは国際法を無視し、中国の主権と安全保障上の利益を深刻に損ね、南シナ海海域の平和と安定に深刻な悪影響を与えるものだ」と非難した。

「米国側には不測の事態を回避するため、このような挑発的行為を即座にやめるよう求める」とした。

中国の海洋調査船は7月初め、南シナ海のベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で調査活動を開始。船舶追跡データによると、今月24日にはベトナム沿岸付近まで活動を広げた。こうした中、米国防総省は26日、中国が同海域での石油・天然ガス開発に「高圧的に介入」していると批判。これに対し中国外務省は27日、米国が南シナ海問題を「悪意を持ってあおり立てて」おり、根拠のない批判を繰り広げていると非難した。

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