国際金価格は依然として方向感に乏しいもみ合いが続いている。年初来では約3割下落しており、先行きについては投資家や専門家の間で見方が分かれている。世界黄金協会が発表した年央見通しでは、今年下半期の金価格は1オンス=4100ドル前後で推移する可能性があるとしている。
2026年1月末、ロンドン現物金価格は1オンス=5598ドルと過去最高値を記録した。しかし、米FRBによる利上げ観測などを背景に、金価格は6月に一時、1オンス=3959ドルまで下落した。
ただ、FRBのケビン・ウォーシュ議長は7月1日、欧州中央銀行フォーラムで、インフレリスクはやや後退しているとの認識を示した。また、アメリカの6月の非農業部門雇用者数は5万7千人増にとどまり、市場予想の11万3千人を大きく下回った。これにより、FRBが近く利上げに踏み切る可能性は低下した。
これを受け、金価格は先週、再び4千ドル台を回復した。
一方、海外の金融機関は相次いで金価格の見通しを引き下げている。JPモルガンは、今年第3四半期の金の平均価格予想を1オンス=4300ドル、第4四半期を同4500ドルに下方修正した。従来予想を20〜25%下回る水準だ。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは7月初めに発表した最新の金市場レポートで、金価格は短期的に強い逆風にさらされていると指摘した。今後6〜9カ月間で、金価格が1オンス=4千〜4750ドルの範囲で調整する確率は25%と予測している。また、3750〜4千ドルの価格帯については、強気・弱気の見方が交錯する極めて重要な水準だと強調した。
台湾銀行が7月2日に発表した国際金市場の月報でも、3750〜4千ドルの価格帯を7月相場の重要な節目と位置づけた。同月の金価格については、下値を3500ドル、上値を4500ドルと予測し、短期的には上値の重いもみ合いが続くとの見方を示している。
世界黄金協会が7月1日に発表した「2026年金年央見通し」では、金価格は当面、一定の範囲内で推移すると予測している。現在のマクロ経済環境の下では、2026年下半期の金価格は1オンス=4100ドル前後で推移し、変動幅はおおむね5%程度になる可能性があるという。
同報告書はまた、金価格が再び上昇基調に戻る可能性にも言及し、その場合の目標水準を1オンス=4500ドルとした。ただし、金価格が1オンス=5千ドルまで持続的に上昇するには、強力で明確な上昇材料が必要だとしている。
世界黄金協会は、次の上昇局面を後押しする可能性がある要因として、経済情勢または地政学情勢の悪化、金利見通しの転換、長期投資家による買いの拡大の三つを挙げている。
報告書によると、金融市場の変動や地政学リスクは、歴史的に金価格を支える要因となってきた。地政学リスク指数が月間で100ポイント上昇すると、通常、金価格は2.5%押し上げられるという。
マクロ面では、2026年の世界経済成長率は前年比2.9%、アメリカ経済の成長率は2.1%と予測されている。米国のインフレ率は第2四半期に3.9%近くまで上昇した後、再び低下するとみられている。一方、世界全体の年間平均インフレ率は4.3%と見込まれている。
インフレ率の高止まりは、金にとって追い風となる可能性がある。インフレが経済成長を大きく上回る局面では、金は資産価値を守る手段として意識されやすいためだ。
さらに、2022年以降、各国の中央銀行は平均して年間1千トンの金を購入している。同報告書は、今後注目すべき需要先として、各国中央銀行とインドを挙げた。インドは世界第2位の金市場で、年間の金需要は約800トンに上る。
世界黄金協会が別途発表した、世界の中央銀行を対象にした金準備に関する調査でも、各国中央銀行は今後も金の購入を続けるとの見方が示された。調査に回答した中央銀行の89%は、今後12か月で世界の中央銀行が保有する金準備は増加すると予想している。
また、回答者の74%は、今後5年で世界の外貨準備に占めるドルの保有比率が「やや低下」または「大幅に低下」すると見ている。一方、84%は、今後5年で総準備に占める金の比率が「やや上昇」または「大幅に上昇」すると予想している。
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