コロナ起源巡り一段の調査必要、WHOが報告書 日米など懸念表明

[ジュネーブ/チューリヒ/ワシントン 30日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は30日、国際調査団が中国湖北省武漢で行った新型コロナウイルスの起源を探る調査報告書を公表し、ウイルスが武漢周辺の研究所から漏えいしたとの見方は「最も可能性の低い仮説」と結論付けた。同時に、テドロス事務局長は生データの提供が十分でなかったとし、一段の調査が必要との認識を示した。

テドロス氏は「調査団のメンバーからは生データへのアクセスが困難だったことが指摘された」とし、「将来の共同研究ではより適時かつ包括的なデータ共有が行われることを期待する」と述べた。

ウイルスの起源については「今回の調査が十分とは考えておらず、より確かな結論にたどり着くためにさらなるデータや調査が必要となる」とし、中国に追加調査団を派遣する可能性もあるという考えを示した。

また、調査団のリーダーを務めたピーター・ベンエンバレク氏は、新型コロナが2019年10─11月時点で武漢周辺で流行していた「可能性は十分にある」と述べた。

WHOの報告書公表を受け、日米を含む計14カ国は共同声明を発表し、「国際調査団による新型コロナ起源を巡る調査が大幅に遅れ、完全な実データやサンプルへのアクセスに欠如した」ことに懸念を表明した。

日米のほか、オーストラリア、カナダ、チェコ、デンマーク、エストニア、イスラエル、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、韓国、スロベニア、英国の政府が含まれる。

米ホワイトハウスは、新型コロナ起源解明に向けてさらなる調査をWHOに要請。サキ報道官は「国際的かつ独立した専門家が主導する第2段階の調査が必要と確信している。自由にデータにアクセスし、質問をすることが可能であるべき」と述べた。

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