漢字の紐解きシリーズ

漢字の紐解き「琴」

古代中国の人々は音楽をとても高尚なものとしていました。このことは、琴への思い入れからも窺えます。

 琴はもともと五本弦の楽器でしたが、のちに七本弦のチターの一種として現在の形に発展しました。 音の幅は広く、高音域は天上に届くほどで、低音域は地上に足がついたような落ち着いた音です。中間の音域は流れるようで、人の声をまねることができます。

 古代の篆刻文字は、琴の形象を示しています。下部の曲線は琴の本体を表し、上部の横線は弦を表しています。

 古代、高貴な家庭には必ず琴が置かれていました。全ての楽器のなかで、琴は最高の徳を代表するものと考えられていたのです。琴の奏した音色は、邪な考えを抑制する作用があります。中国語の「琴」の発音(チン)と「禁」(ジン)の発音が似ていることからもこのことが窺えます。

 その後、中国に入ってきたピアノとバイオリンは、それぞれ「鋼琴」「小提琴」と訳されました。琴とは異なる楽器ではありますが、ピアノもバイオリンも人の心と魂に同じように共鳴します。

(神韻芸術団フェイスブックより)