漢字の紐解きシリーズ

漢字の紐解き「器」

「形而上者謂之道、形而下者謂之」―『易経』
 (形よりして上なる者これを道と謂い、形よりして下なる者これを器と謂う)

器は古代中国では貴重なものでした。青銅器時代には、儀式用、杯(さかずき)用、さらに楽器として器が制作されていました。これらの器は贅沢品だったのです。さて、漢字をちょっと分析してみましょう。「犬」の四方に「口」(入れ物を表す)があります。なぜでしょう? これらの器は極めて貴重なものだったので、犬が常に護衛していたのです。

 「器の大きい人」など、「器」を尊ぶ表現は今でも使われています。「君子は空の器にはなりえない」という格言も中国にはあるようです。つまり、技能や才能を磨きながらも、内面の性格、つまり「道」を修めることを怠ってはならない、という意味です。

(神韻芸術団フェイスブックより)