【歌の手帳】歯にひびく
掬(むす)ぶよりはや歯にひびく泉かな(松尾芭蕉)
歌意「夏の炎天下を歩いて、旅をしている。おや、ここに泉が湧いているではないか。その冷たい清水を飲もうと、両手をむすんで掬(すく)い上げただけで、奥歯にしみるような喜びを感じるよ」。
芭蕉の句ですが、いつ頃、どの旅で詠んだのか、はっきりしないのです。元禄2年(1689)8月に『奥の細道』の旅を美濃の大垣で終えた芭蕉は、江戸へすぐには帰らず、京都や近江に滞在します。
江戸深川の芭蕉庵に戻るのは元禄4年10月ですので、あるいは関西圏のどこかで過ごした夏の、旅中の一コマでしょうか。
ペットボトル入りではない本当の天然水のうまさを、現代の私たちは、もう体験できません。芭蕉さんが、うらやましい限りです。
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。