中国貴州省の貧困地域の村民(Kevin Frayer/Getty Images)

中国官製メディア、外国人記者を攻撃 貧困問題で「違法に取材」

中国当局は、国内で取材活動をする海外メディアへの統制を強めている。貴州省畢節(ひっせつ)市当局によると、地元の貧困問題に関して「負の側面」を取材しようとした海外メディアを通報した幹部が表彰された。中国メディアは報道でこの外国人記者を中傷した。

畢節市党委員会のSNS微信(ウィーチャット)アカウントは9日、同市当局は国家安全に関わる重要な情報を提供した複数の幹部に褒賞を与えたと発表した。そのうちの1人は今年、畢節市で貧困問題に関して「違法に取材し」、中国のイメージダウンを図る「外国の反中メディア」を通報したという。

同発表では、外国メディアの社名を明らかにしなかった。中国政府系メディア「観察者網」は10日の報道で、今年4月、米国の公共ラジオ局であるナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に派遣された中国系米国人記者のエミリー・フォン(Emily Feng)氏が畢節市の一部の地域で取材を行ったと伝えた。「観察者網」は、フォン記者は地元住民の発言を「歪曲し」「貧困脱却を巡るわが国の取り組みを誹謗中傷した」と批判し、同記者を攻撃した。

▶ 続きを読む
関連記事
中国共産党は6月1日、技術・データ・人材の国境をまたぐ流動を伴う対外投資への審査を強化する新規則を公表。専門家は、新規則は人・技術・資金の流出を封じることを目的としていると指摘する
中国共産党による人権侵害や越境弾圧への懸念が高まるなか、米ハワイ州で「中国共産党を終わらせよう(End CCP)」と訴える車隊が巡回活動を実施した
英国拠点のイラン反体制派メディアは、流出文書をもとに、中国企業がイラン革命防衛隊による弾道ミサイル製造用化学品の調達に関与していた可能性があると報じた
「孔子学院」は本当になくなったのか? 米国で相次いだ閉鎖の裏で、非営利団体や文化交流事業を通じた新たな形の影響力工作が続いているとの指摘が浮上。中国語教育や訪中プログラムを通じ、中共の影響が教育現場に浸透していると明らかになった
経済統計は「美化している」とする中国当局の数字ですら、この惨状だった。北京、上海、広東省を含む28の省・直轄市で財政赤字。不動産不況で土地収入は激減し、地方財政は苦境に陥っている