筋トレの三大効能「糖尿病の予防と改善のために」

フィットネス(Fitness)とは、肉体が「望ましい状態に合致している」ことを意味する言葉です。実際には、各種のトレーニングによってバランス良く筋肉を鍛え、体脂肪を落としていくことを指します。

それは審美的な価値観と、健康面からの必要性という両面をもつものと考えてよいでしょう。
 

筋トレの効能1「体が強くなり、きれいになる」

筋力の増強を意識して体を動かすことは、外観がスリムになるだけでなく、糖尿病の痛みなど多くの疾病や障害を改善することができます。

筋肉の肥大をひたすら目指すボディビルダーほどではないにしても、筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、太りにくい体質になると言われています。

しかし、実際にトレーニングを続けてみると、「筋肉量は増えたのに、体重は減らないどころか逆に増えている」という人もいます。

減量やダイエットのつもりで筋トレを始めたはずなのに、体重が増えては元も子もないと思われるかもしれません。

重要な点は以下の通りです。
トレーニングをして筋肉量が増えると、たとえ体重が増加しても(あるいは体重に変化がなくても)周囲の人から「最近痩せたね」と言われることが多くなるのです。
この傾向は、とくに女性に多く見られます。

つまり、体を鍛えて筋肉が増えると、体脂肪率が下がって「体の形」が変化するのです。

筋肉は重量がありますので、体重としては変化がないか、逆に重くなっているかもしれません。

しかし、見た目は健康的で、確実にスリムに見えるようになります。

初めは、フィットネスのジムでスラックスをはいていた女性が、トレーニングを続けてからはタイツをはくようになりました。
だんだんスリムになることで、足の線がはっきりする服装にもチャレンジできるようになったのは、それだけ内面的な自信が湧いてきたということでしょう。

男性も同様で、出ていたお腹が引っ込み、体全体がしまってくると見た目もかっこよくなります。
いずれにしても、無理をして体重ばかりを落とすよりも、筋肉を鍛える習慣を身につけて、しっかりした体を作る方が健康的です。
 

筋トレの効能2「糖尿病などの疾病を改善する」

フィットネスで改善できる病気のなかで、最も効果が期待できるのは糖尿病です。

長い間、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、糖尿病の改善に寄与する運動療法とされてきました。
しかし、ここ数年来「筋肉量と糖尿病との関連性」を結びつける研究は相当な進展を見せています。
筋肉量を増やすことによって、糖尿病を予防および改善できることが判ったのです。

ある60歳代の女性が、膝の痛みのため病院へ行ったそうです。
当時その女性は太っていましたが、週に1回、ジムで筋トレを始めると、すぐに痩せてきました。

筋力がついて痩せたので膝の痛みは改善されたのですが、驚いたことに、痩せていくにつれて高かった血糖値も下がっていったのです。

週1回のフィットネスでも、それだけのメリットがあります。フィットネスは老若男女を問わず、誰にでもお薦めできるスポーツです。興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。
 

筋トレの効能3「膝などの痛みを改善する」

膝や股関節の痛みで病院を訪れた人が、「運動すると痛みます」と医師に告げることがよくあります。

これは間違った認識です。運動は膝の痛みの主因ではありません。そういう考えをお持ちの人は、治療する側としては大変心配な患者さんで「運動を避けることにより、さらに老化が進み、筋力が急激に落ちてしまうことが多い」のです。

多くの場合、痛みの直接の原因は、まさに筋力の低下にあります。運動不足や加齢の影響で、筋肉量が減り、筋力が衰えたために「運動すると痛みます」が起こるのです。

そのような患者さんは、ますご自身の発想を変えてください。可能な限り運動をして、弱った筋力を鍛えるだけで、痛みから抜け出せる場合も多いのです。

もちろん、ほかの原因があって膝痛を起こす人もいます。しかし、そのような方でも、トレーニングで膝周辺の筋肉を強化し、しっかりと膝関節を支えることで膝への負担を軽減することができます。これだけでも、痛みや症状が和らぐものです。股関節痛にも同様の効果があります。

少なくとも、筋力がアップすると「全ての痛みを軽減するチャンスが生じる」と言えます。歩く姿勢を変えることで、歩きやすくなる人もいます。

一部の医師は、股関節が悪い人に手術を勧めています。
その状態にもよりますが、フィットネスによって元の筋力を回復できれば、あるいは「手術する」という判断を、しばらく延期することができるのではないでしょうか。

手首の腱鞘炎の人は、ボートを漕ぐ訓練(特に機械を使った訓練)を試すことがあります。
ボート訓練は、手首だけでなく、全身の様々な筋肉を鍛えることができます。

手首の筋力を強くすることで、痛むその手首の腱鞘炎の症状が緩和されるという仕組みです。
(翻訳編集・鳥飼聡)