人間の耳は、自分では直接見られないので、あまり意識したことはありませんが、とても不思議な形をしていますね。
耳は「全身につながるツボの宝庫」
「逆さになった胎児」のような形だと言われることもあります。胎児の頭は下を向き、耳たぶになっています。胎児のお尻はちょうど真上になって、丸めた手足とお腹が耳の中央部に当たります。
そんな耳には、胎児が生命の出発点であるのと同じように、全身の各部位につながる重要なツボがたくさん配列されています。
このツボを自分で指圧するだけでも、健康に役立つ効果が得られるのです。
ここでは「免疫力アップ」と「ダイエット」に役立つツボを、それぞれ5つご紹介しましょう。鏡をうまく使って、自分でツボの位置を探しながら指で押してみてください。
ツボの位置を感覚的に理解し、目的にかなった良い体調変化が現れたら、ツボを体得できたことになります。
免疫力アップに役立つ耳のツボ5つ
以下の5つのツボは、体の免疫力をアップするとともに、咳を鎮めて呼吸を楽にします。
1、腎上腺点:もみあげの線の後方、耳介軟骨の下にあります。
2、交感点:三角窩の下辺が耳輪と交わるところ。耳輪の顔よりの部分です。
3、神門点:三角窩のなかに位置します。
4、平喘点:耳たぶの上、対耳珠にあるツボです。
5、肺点:耳甲介腔の中央にあるツボです。
ダイエットに役立つ耳のツボ5つ
ダイエット(減量)には、この5つのツボを押して食欲を抑え、新陳代謝を活性化させます。
1、飢点:耳珠の上にあるツボです。食欲を抑えることができます。
2、胃点:耳の中央にあるツボです。消化を促進し、食欲を調節することができます。
3、肛門点:耳輪の内側の上の方、交換点のやや下にあるツボです。ここを刺激すると腸が活発に動き、排便が促されて便秘が軽減します。
便が腸内に長時間とどまると毒素が作られてしまいます。便秘気味の人は、その毒素が蓄積されることで代謝に影響を与えるため、体重が減らない傾向があります。
4、神門点:三角窩のなかに位置します。精神を落ち着かせるツボで、暴飲暴食を避けることができます。
5、内分泌点:珠間切痕にあるツボです。ホルモンバランスを維持し、新陳代謝を活性化して、ダイエット効果をさらに向上させます。
耳ツボを押す方法は、人差し指の先で押すか、親指と人差し指で耳の裏表からつまむように挟んでもいいです。ただ、耳のツボは小さいので、指の腹で広く押すと効果が半減することもあります。小さな1点を意識して、指圧してみましょう。
さらに効果を上げるためには、漢方医師に依頼して、耳のツボに鍼(はり)を打ってもらう方法もあります。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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