董宇紅博士が紹介する「免疫力を高める座禅のすすめ」(1)

新型コロナウイルス(中共ウイルス)による中国の疫病は、無謀な都市封鎖の甲斐もなく、相変わらず拡大を続けています。

極限下で叫ぶ「民以食為天」

上海ロックダウンでも明らかなように、疫病下の中国人は、すでに中国の古典にある言葉「民以食為天(民は食を以て天と為す)」を叫んでいます。

要するに「食べることが何よりも大切だ」という意味ですが、中国史のなかにおけるこの言い回しには、常に特殊なニュアンスが伴います。

つまり「食べられなければ、民衆は蜂起するぞ!」ということなのです。

報道されているように、特に上海は現在も物資の欠乏が極めて深刻です。
食料を中心とする生活必需品は、流通の停滞や末端行政の不正によって高騰しているため、ウイルス感染以前の切実な問題として、市民は生命維持に必要な栄養を摂取できていません。

中国に限らず、世界各地で現在流行しているウイルスは、オミクロン株BA.2が主です。
しかし、今後さらなる変異株が出現する可能性は否定できず、むしろそれを想定しておくことは当然の備えと言えます。

 

まずは「基本的な健康管理」を

では、私たちはどのようにウイルス感染を予防し、また、たとえ感染しても発症や重症化を回避するための「自己免疫力」を高められるでしょうか。

まず求められることは、「基本的な健康管理」です。食事内容に留意して、摂取する栄養バランスを保ちます。
特に、もともと慢性疾患をもつ人は、そこへウイルス感染が重ならないように体調管理には、くれぐれも注意してください。

人間が毎回の食事から摂る栄養は、頑丈な家を建てるのに良質の建材が必要なのと同じように、体がウイルスと戦うための最も重要な基礎です。

体が常に必要とする栄養素には、代表的なものだけでも脂肪、タンパク質、炭水化物、ビタミン類、各種ミネラル、水分、食物繊維などの7種類があります。そうしたバランスのとれた栄養摂取は自己免疫力を保ち、外敵であるウイルスと戦う原動力となるのです。

また、十分な睡眠をとるとともに、日常を過ごす室内を清潔にして衛生的な環境を保つことも健康維持のために重要なカギとなります。

 

今は「お酒を控えてください」

現代人で、特に40歳以上の人は、多かれ少なかれ三高(高血圧・高血糖・高血脂)や心臓病、慢性閉塞性肺疾患などの慢性疾患を抱えています。
これらの病気は、その個別の症状のほかに、人が本来もつ抗ウイルス能力を弱めるものです。

すぐには完治できない慢性疾患もありますが、病院で処方された薬を飲むだけでなく、日常生活のなかでの自己ケアを十分にし、努めて「体に悪いこと」をしないようにしてください。

例えば、慢性の肝疾患がある人は、たとえお好きでも我慢して「お酒を飲まないように」。

今はまだパンデミック期間なのです。お酒を飲むことで肝臓にダメージを与えてはいけません。

肝臓は体内のデトックス(解毒)機能を担う重要な臓器です。その肝臓に悪影響を与えることは、自分の免疫力に重大なマイナスをもたらすことを意味します。

また、言うまでもなくその他の慢性疾患も、普段からきちんとコントロールされていなければ、コロナ禍のなかで重症化しやすくなります。肝臓機能を守ることは、自己免疫力を維持する重要なポイントなのです。

慢性肝疾患をもつ人は、免疫力を損なわないため、飲酒を控えましょう。(ろじ / PIXTA)

 

(次稿へ続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)
 

エポックタイムズのシニアメディカルコラムニスト。中国の北京大学で感染症を専攻し、医学博士と感染症学の博士号を取得。2010年から2017年まで、スイスの製薬大手ノバルティスファーマで上級医科学専門家および医薬品安全性監視のトップを務めた。その間4度の企業賞を受賞している。ウイルス学、免疫学、腫瘍学、神経学、眼科学での前臨床研究の経験を持ち、感染症や内科での臨床経験を持つ。