胃痛、胃もたれ、胃けいれん。どれも不快な症状で、本当に困ってしまいますね。
なかでも上腹部に激痛を感じ、嘔吐することもある胃けいれんは、ストレスの多い現代人にとって、もはや一般的とも言える症状です。
多くの場合、胃けいれんは突然起こります。そのため、病院へ駆け込んで医師の診察を受ける前に、自分で痛みを緩和できる方法(後述)を試してみると良いでしょう。
胃けいれんの痛みは、一時的なものが多いのですが、ひどい場合は何時間も続くことがあります。発作の時間で言えば「数秒、数分、数時間」と非常に幅があるものです。
痛みは、鈍い痛みではなく、けいれん性の刺すような痛みです。
その原因としては、暴飲暴食や早食いなど食生活の乱れ、あるいは過剰な精神的ストレスが考えられますが、そのほかに刺激性の強い食物(激辛の料理など)を好むことも胃けいれんを起こしやすくします。
そのほか、油脂の多い料理や消化しにくい食物を大量に食べる、あるいは片手でスマホを操作しながら食事することも、胃部への血流に影響を及ぼすため、胃けいれんの誘因になります。予防には、こうした良くない食習慣を改めることです。
精神的ストレスについても、できるだけ溜め込まないように、ストレスを緩和する方法をいろいろ工夫してみてください。
良質の睡眠と適度な運動、それに家族と楽しく過ごす時間を大切にすることが、胃腸だけでなく、あなたの全身の緊張をほぐしてくれるはずです。
なお、ご自身の健康のために、喫煙と飲酒は控えてください。
鎮痛剤を多用している人も胃けいれんを誘発することがありますので、薬の服用には十分注意するとともに、医師または薬剤師のアドバイスを受けるようにしてください。
それでは、急性の胃けいれんが起きたとき、とりあえず試してほしい方法をご紹介します。
まずは、体を丸めて楽な姿勢をとり、右側を下にして横になりましょう。しばらく痛みが収まるまで静かに待ってから、心を落ち着かせて、次に可能な方法を考えます。
可能であれば、痛みの激しい部分を温める「温罨法」を試してみます。ホットタオルでも使い捨てカイロでもいいので、胃部に当てると痛みが和らぎます。
次に、胃けいれんの痛みを鎮めるツボを押してみましょう。
梁丘(りょうきゅう)というツボは、両足の膝蓋骨の上外側にあります。ここは胃の経絡に通じるツボで、急性胃痛の緩和に効果があります。
もし、お腹を押して痛くなければ、中脘(ちゅうかん)というツボを押して、胃の痛みを和らげることもできます。中脘は、おへその上4寸に位置します。
なお、急性胃腸炎、胃潰瘍、過敏性腸症候群など消化器系の病気や、肝臓や胆嚢に重大な問題があって胃けいれんを誘発しているケースもあります。
胃けいれんが頻発する場合は、必ず病院で検査を受けるようにしてください。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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