顔に現れるシワは、老化の兆候であるとともに、体の各器官の健康状態を反映しています。顔のシワの改善を目指すならば、体内の五臓六腑を十分にケアして、その問題を解決することが早道です。
皮膚は、言わば人体の「最大の器官」です。「たまった疲れが顔色に出る」と言われるように、体の健康状況は皮膚の表面に反映されます。
実際、人が病気になると、精神的にも憂鬱になり、胃腸の消化吸収能力が落ちます。そのため、漢方で言う「血気(血液と気)」の循環も停滞してしまうので、つやつやした弾力性のある皮膚が失われてしまうのです。また、肌の水分や筋膜の水分が不足することでも、顔にシワができやすくなります。
漢方医学とインドの伝統医学アーユルヴェーダを専門とする鼎妍漢方医学院・院長の林孟穎氏は、「よく見られる顔のシワは、それぞれ体の異なる部位に何らかの問題があることを反映しています」と指摘します。
以下、林氏の説明に従い、よく見られる顔のシワについて「7種のタイプ」を挙げます。
1、額のシワ
アーユルヴェーダによると、額に深く刻まれたシワは、憂慮や焦燥の感情を表すと言います。
深い悲しみや大きな不安などにより、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されると、心血管疾患の発症リスクも高まるのです。現代の研究でも、額のシワが深く多い人ほど、心血管疾患による死亡リスクが高いことが分かっています。
また、額の深いシワは、アテローム性動脈硬化の兆候である可能性もあります。
動脈硬化症は、脂肪の蓄積、血管内膜の肥厚により粥状プラークが形成され、血管の硬化や狭窄、さらには閉塞を引き起こす病態です。動脈硬化症は心血管疾患の主な原因になっています。
2、眉間のシワ
両眉の間に生じる「川の字」の眉間ジワは、アーユルヴェーダ顔面診断学によると、「中央のシワが疑い深い性格を示唆し、(自分の)左側のシワが脾臓の疲労を表し、右側が肝臓の疲労を表す」とされています。
肝臓と脾臓が疲労している人は、もちろん肝臓と脾臓の病気にもなりやすくなっています。
また、漢方医学の理論では、マイナスの感情は肝臓および脾臓に関係すると考えられています。かっと怒れば肝臓を傷つけますし、悪いことを長く考えていると脾臓を傷つけるのです。こうした人は、自然に眉をひそめやすく、眉間に深いシワを刻みます。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)
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