「あら、ここにも?」顔のシワは体内から整えましょう(2)

(前稿より続く)

3、眼の周囲のシワとたるみ

クマとも呼ばれる眼袋(目の下のたるみ)は、体内に湿気が多くなって、それを排出する代謝能力が低下したために、現れたものかもしれません。

体内に湿気が多くなると、脾臓にも影響します。漢方医学では、脾臓を、栄養の消化や吸収、および体内輸送を担当する重要な臓器、言わば「体内の血気を生む源」と考えています。

そこで、過度の体内湿気は脾臓の機能に異常をきたすだけでなく、脾臓の不調が体の全ての機能にまで悪影響を及ぼすため、全身の体力の低下と皮膚のたるみをもたらすのです。そのほか、目の下のたるみはストレスが原因でできる場合があります。

こうした眼の周囲組織の体液過剰は、2つの原因が考えられます。
1つは、アレルギー性鼻炎があること。もう1つは、精神的ストレスがたまってよく眠れないため、頭蓋内の圧力が上昇するとともに、頭部および頸部が緊張して循環不良となっていることです。

そのため、目の下にクマが現れたら、アレルギー性鼻炎の治療や睡眠の改善につとめるようにします。

4、目尻の小ジワ

目尻の小ジワの主な原因は、目の周囲の筋肉の使いすぎです。

人の目は物が見えにくい場合、はっきり見ようとして無意識に目を細めています。目の周囲の筋肉を使い過ぎると、笑った時にも目尻に小ジワが出やすくなります。

5、鼻の上のシワ

「鼻の上のシワ」とは、顔をくしゃくしゃにするような表情の時、ちょうど両目の間にできるシワのことです。

この箇所のシワは、心臓の機能疲労を示唆している場合があります。
林孟穎氏によると、このようなシワは女性に比較的多く見られ、どちらかというと虚弱体質で、疲れやすい人だと言います。

6、頬のほうれい線

アレルギー性鼻炎の人は、よく鼻をかむので、唇や鼻の周りの筋肉を引き上げるように繰り返し使います。これらの筋肉が肥大化すると、ほうれい線や涙溝などの周囲にシワができやすくなります。

アレルギー性鼻炎の人は、よく鼻をかむので、ほうれい線もできやすくなります。(Shutterstock)

 

7、あごのシワ

あごに現れるシワは、精神的なストレスを示唆している場合があります。
自分が言いたいことがあっても言えない時、唇の周りの緊張が高まったり、よく「苦笑い」する人は、その影響であごにシワができやすくなるのです。

以上のように、顔に見られるシワに体内の病気や不調が関係していると考えられる場合は、まずはその根源となる問題、つまり動脈硬化、アレルギー性鼻炎、肝臓や脾臓の疲労などの治療に努める必要があります。

また、シワを改善し、たるんだ皮膚を生き生きさせるために、顔面に施術する鍼灸もあります。顔面におこなう美容鍼灸は、顔の筋肉と筋膜の張力を直接調整して、シワを解消することができます。

なお、日常生活のなかで注意することとして、例えば、首や肩に負担をかける不自然な姿勢で長時間パソコンに向かうなどは避けてください。こうした箇所の疲労が蓄積すると、顔面の筋肉にも影響して、顔のシワを増やすことにもつながります。

さらに、適切な水分補給に努めるとともに、夜更かしや喫煙など、皮膚を早く老化させる良くない生活習慣は、これを機会にぜひ改めてください。
(完)
(翻訳編集・鳥飼聡)

蘇冠米