片足で10秒間立ち続けることは、簡単なようで、意外と難しいです。
これにより自身のバランス力を試すことができます。
ブラジルの研究によると、片足で10秒間立っていられるかどうかで、今後10年間のうちに死亡するリスクの高さを予測できることが分かりました。 研究の結果から、中高年の定期健康診断にこの検査を取り入れるべきだと言っています。
ユナイテッド・プレス・インターナショナル通信によると、リオデジャネイロの運動医学クリニックが行った研究では、人のバランス力は、有酸素運動による筋肉力や皮膚弾力とは異なり、維持される傾向があると分かりました。
そのため、60歳前後から急激に衰え始めると研究員は指摘しています。
今回の研究では、51歳から75歳のブラジル白人約1,700人が、2009年2月から2020年12月までに実施した健康診断の結果を対象とした先行研究の情報を利用しました。
この健康診断では、歩行が安定している方を対象に、体重、皮膚のしわの厚さ、ウエスト周囲径、病歴などの情報を収集しました。
参加者には、何も支えがない状態で、素足で片足立ちを10秒間してもらいます。その際に、上げた足の甲をもう片方の足のふくらはぎの後ろに置き、両手を自然に下げて、まっすぐ前を向きます。 最大一人3回まで機会があります。
その結果、約5人に1人が片足で10秒間立つことができず、また、その割合は、年齢が上がるにつれて増加することが分かりました。
《 英国スポーツ医学雑誌》(British Journal of Sports Medicine)に掲載された研究によると、失敗率は71~75歳が54%、66~70歳が37%、61~65歳が18%、56~60歳が8%、51~55歳が5%という結果だったそうです。
つまり、高年者のグループに属する71〜75歳の失敗率は、51〜55歳のグループの11倍にもなっていたのです。
平均して7年の追跡期間中に、合計7%の参加者が亡くなりました。 死因は合格者と不合格者で大きな差はありませんでしたが、不合格者の死亡率は合格者より13%近く高かったと言います。
年齢、性別、基礎疾患を考慮した結果、片足で10秒間立つことができない人は、その後10年間に何らかの原因で死亡するリスクが84%増加すると結論づけられました。
研究員らは、「この検査は、患者の早期死亡のリスクについて有用な情報を提供するものである」と述べています。
なぜバランスの悪さが死亡リスクの予測につながるのか、まだ正確には分かっていませんが、簡単で安全なこの検査を、高齢者の定期健康診断に取り入れるべきであると研究員らは提案しています。
(翻訳者・李明月)
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