ラズベリーの和名は、覆盆子であり、レッドラズベリー、ブラックラズベリーなど、さまざまな色を持つベリー類です。 特にブラックラズベリーは甘くておいしいだけでなく、抗がん作用や血圧、抗糖尿病作用など、強力な健康効果が期待できます。
ブラックラズベリーは、アントシアニンが最も多い
ブラックラズベリーもレッドラズベリーもバラ科のスズランなので、カロリー、タンパク質、食物繊維、ビタミンなど、同じ種類の栄養素が含まれています。 しかし、オレゴン州立大学によると、ブラックラズベリーはレッドラズベリーに比べて、アントシアニンが10倍、エラグ酸が約2倍、抗酸化物質が3倍と、特定の成分を量的に多く含んでいるとのことです。
では、ブラックベリーとブラックラズベリーの違いは何でしょうか? 外見は似ていますが、ブラックラズベリーは中が空洞なのに対し、ブラックベリーは白または緑色の芯であり、しっかりしています。 ブラックラズベリーは、ブラックベリーの2倍のアントシアニンと3倍近い抗酸化物質が含まれています。
「Journal of Food Science and Technology」と「International Journal of Molecular Sciences」に掲載された研究によると、アントシアニンはブラックラズベリーの豊かな濃い紫色を生み出し、酸化を防ぐため、天然の抗酸化物質となっています。ブラックラズベリーの場合、それ自体が化学防御作用、抗炎症作用、神経保護作用を強化し、がんや心血管疾患のリスクを低減させる効果があります。
ブラックラズベリーの健康効果トップ6
様々な科学的知見の中で、研究者はブラックラズベリーが以下のように口腔癌、糖尿病の予防、血圧の低下、体重コントロール、皮膚アレルギーの緩和、骨粗しょう症の軽減にも非常に有効であることを発見しています。
1.口腔癌の予防
ブラックラズベリーは、口や咽頭、食道でよく見られる口腔扁平上皮癌の進行を防ぐことが研究で明らかにされています。
ハムスターの頬袋(チークパウチ)を用いた発がん物質誘発口腔がんの研究では、ブラックラズベリーの凍結乾燥粉末の溶液を12週間局所投与したところ、扁平上皮がん細胞の増殖が41%、腫瘍物質が37%、細胞増殖がほぼ7%減少し、ブラックラズベリー治療のヒト口腔がんに対する予防可能性を実証しました。
アメリカの研究者が2018年に発表した研究によると、バレット食道(胃食道逆流症とも呼ばれる)患者20名を対象とした試験において、フリーズドライのブラックラズベリー32gまたは45gを6ヶ月間摂取した被験者は、過酸化脂質(酸化ストレスやフリーラジカル障害に関連)の著しい減少が見られ、56%近くが良好な反応を示しGST-piの値が有意に高くなりました。GST-piは解毒マーカーであり、ブラックラズベリー投与は食道癌の発生を予防する可能性が示唆されました。
2.糖尿病の予防
2016年に科学ジャーナル「Phytotherapy Research」に掲載された論文では、韓国の研究者が、45名の糖尿病予備軍にプラセボとブラックラズベリーエキスを経口投与し、ブラックラズベリー経口投与群を低用量群(1日900mg)と高用量群(1日1800mg)に分けて12週間の試験を実施しました。その結果、ブラックラズベリーを摂取した群では、血糖値と脂質のコントロールが用量依存的に改善され、血管の炎症も抑制されることがわかりました。
同年、European Journal of Clinical Nutritionに掲載された研究では、ブラックラズベリーのアントシアニンとベリー類を含む食事をした人の2型糖尿病のリスクがそれぞれ15%と18%減少したことが明らかになっています。これは、Journal of Diabetes Investig誌に掲載された23の研究のメタアナリシスの結果と同様です。
3.血圧を下げる
ブラックラズベリーは血圧を下げる効果も認められており、2015年に雑誌「Nutrition」に掲載された研究では、高血圧予備軍の患者45名にブラックラズベリーを乾燥粉末カプセルの形で8週間投与し、プラセボと比較したところ、ブラックラズベリー投与群で高血圧が有意に低下することが確認されています。
以前、英国の研究者たちは、18歳から75歳の女性1898人の食事構造を調べた横断研究において、アントシアニンの摂取量が多いほど高血圧が有意に低下すること、そしてこのアントシアニンはブラックラズベリーに多く含まれていることも発見しています。
(続く)
(翻訳編集:井田千景)
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