ファーウェイのトップロビイストが民主党の議会キャンペーンに数千ドルを寄付していた (GREG BAKER/AFP/Getty Images)

ファーウェイの米国ロビイスト、中間選挙で民主党候補に数千ドル献金

国家安全保障上の脅威として米国の制裁対象となっている中国の通信機器最大手、華為(ファーウェイ)の米国ロビイストが、少なくとも8つの民主党の選挙運動に数千ドルを寄付していたことがわかった。中国は8日に行われる米国中間選挙への影響工作を実施しており、ファーウェイのロビー活動もその一環とみられる。

政治支出を追跡する非営利団体「オープン・シークレッツ」のデータによると、米多国籍法律事務所シドリー・オースティンのトーマス・グリーン上級顧問は先月、民主党の8つの選挙運動に1万ドル以上を個人的に寄付していた。

献金は、主に激戦州や民主党の候補者が苦戦している州の選挙運動に対して行われていた。これらにはマーク・ケリー上院議員やジョン・フェッターマン候補などが含まれる。

前トランプ政権から厳しい圧力を受けたファーウェイは2019年、米国のロビー活動ネットワークに経済制裁に精通した3人の上級顧問弁護士を追加した。グリーン氏はその1人で、チームのリーダーとして活動に携わってきた。

トランプ政権は当時、中国共産党との繋がりが指摘されるファーウェイの通信機器は安全保障上の懸念があるとして、政府機関のファーウェイ製品調達を禁止した。後にファーウェイは、多数の米国テクノロジー企業から企業秘密を盗むことに共謀したとして起訴され、米連邦通信委員会(FCC)から国家安全保障上の脅威と指定されている。

バイデン政権は今年初め、ファーウェイが携帯電話の電波塔を使って米軍施設に関する情報を違法に収集し、中国共産党に送信していたとする報道を受け、同社に対する再調査を開始した。

さらに司法省は先月、中国企業に対する司法当局の捜査を妨害しようとしたとして、中国の情報機関当局者2人を訴追した。司法省は企業名を公表していないが、ブルームバーグなどはファーウェイだと報じている。

裁判資料によると、当局者は米国政府職員に賄賂を渡して、証人リスト、事件に関連する従業員の詳細、検察官のメモなどの極秘文書を盗み、ファーウェイに対する裁判を違法に頓挫させようとした。極秘文書は「米国の国家安全保障に深刻な損害を与え得る」ものだったとしている。

中国共産党による政治的影響工作はこれまでも度々報じられてきた。先月には、バージニア州の民主党議員ドン・ベイヤー氏の側近が、中国大使館の代理として議会事務所との会合を設定しようとしていたことが調査で判明し、解雇されている。

一方、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事は先月、中国共産党と深いつながりのある中国のバッテリーメーカーの米国子会社に、7億1500万ドルもの助成金と免税を民主党系基金を通じて承認したとして非難された。ホイットマー氏はこの動きを「経済発展」と弁明した。

エポックタイムズは、グリーン氏と資金を受け取った民主党陣営にコメントを求めたが、本記事掲載までに返答を得られなかった。

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