昆虫食に待った! イタリアとハンガリー規制強まる

昆虫食が世界で普及しつつある中、EU諸国のイタリアとハンガリーは昆虫食に対して規制を厳しくしている。

タイムズ紙によると、イタリア政府は、3人の大臣がローマで記者会見を開き、コオロギ、イナゴ、昆虫の幼虫を使用し製造された小麦粉をピザやパスタで使用する事を禁止した。また従来の小麦粉から製造された商品とは厳格に区分することになっている。

EUでは2018年1月に昆虫を食品として認めることを明記した法律「EU新食品規定(規則 (EU) 2015/2283)」が施行され、コオロギ、イナゴなど、昆虫から作られた食品をすでに認可した。今年1月には、ミルワームの幼虫がリストに追加された。

チェスコ・ロロブリジーダ農業大臣は「(昆虫由来の)これらの小麦粉がイタリアで作られた食品と混同されないことが基本だ」と述べ、「これらの製品(昆虫由来の原料を使用した食品)を食べたい人は誰でも食べることができる。イタリア人はほとんど食べないと思う」と述べた。

EFAニュースによると、同時にイタリアはイタリア料理を国連教育科学文化機関 (UNESCO) の人類の無形文化遺産リストに登録することも申請している。

ハンガリーでも昆虫食に対して厳しい法律が導入されている。

ハンガリーではイシュトバン・ナジ農業大臣がFacebookで「昆虫由来のタンパク質を含む食品に、ラベルで昆虫を使用している事を明示するように義務付けた」ことを発表している。

ナジ大臣は、政府が厳格な製品表示と隔離規則を通じて、「欧州連合 (EU) で承認された昆虫タンパク質を含む食品からハンガリーの消費者を保護したい」として、「ハンガリー産の食品を好む人は、昆虫など食べたくない。ハンガリーの農家は常にハンガリー国民に高品質の食材、新鮮で良質の食材を提供している。食料不足やタンパク質不足を恐れる必要はない」と述べている。

大臣はNational Food Chain Safety Office調査を引用し、2016 年以降、ハンガリーでは昆虫食を控えている人の割合が2.4%増加したことが明らかであると指摘した。

日本では、昨年12月から製パン大手の「Pasco(パスコ)/敷島製パン株式会社」のオンラインショップ限定で、コオロギ粉末を使用したパンが販売されたことで物議を醸した。

また最近、愛媛大学などのグループが、昆虫を含んだ餌を与えたマダイの養殖に成功し、来月から出荷がはじまるという。養殖魚や家禽の餌としてではなく、人間が口にする食品に昆虫由来の成分が含まれる時代が来るのか、今後も議論は続くとみられる。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。