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三七人参:三七人参は、血液循環の促進、うっ血の除去、血圧降下、血小板凝集抑制作用があり、心血管疾患の予防と治療に広く使用されています。
〇血管をきれいにする3つの処方
血府逐瘀湯(けっぷちくおとう):血府逐瘀湯は古典的な漢方処方で、血行を良くし、瘀血を取り除き、気を動かして痛みを和らげる作用があります。狭心症、冠状動脈性心臓病、脳血栓症など、瘀血の症状が強い患者に適しています。
冠源活血丸:冠源活血丸は、循環器系疾患の治療に用いられる漢方処方です。 紅芍薬、川芎(せんきゅう)、桃仁、紅花、麝香(じゃこう)などからなり、血液循環を活性化させ、血圧を下げ、心臓や脳の機能を向上させる目的で使われます。
複方丹参滴丸:複方丹參滴丸は、複方丹参錠をベースに開発された、丹参(たんじん)、三七人参、竜脳香(りゅうのうこう)からなる漢方ドロップス製剤です。血行を促進して瘀血を解消し、気を整えて痛みを和らげるという機能を持ち、高血圧、冠状動脈性心臓病、狭心症に適しています。
2020年に「科学的根拠に基づいた補完代替医療」(Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine)に掲載された研究では、冠動脈インターベンション(カテーテル治療など)を行った患者に複方丹参ドロップスを投与したところ、心肺機能が著しく改善し、重度の心血管系有害事象のリスクが47%減少したと発表されました。
バランスよく摂取しましょう 5種類の血管保護食
血管の健康維持に役立つ5種類の食品は、日常的にバランスよく摂取するよう心がけましょう。
1.野菜:野菜には多くのビタミンやミネラル、特に葉酸、カリウム、マグネシウム、食物繊維が豊富に含まれており、コレステロール値の低下、血圧の低下、動脈硬化を予防する働きがあります。ほうれん草、セロリ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜を多く食べることをお勧めします。
2.果物:果物は多くの栄養素を含み、特にビタミンCと食物繊維は、コレステロール値を下げ、フリーラジカルを除去し、血栓形成を抑制する働きがあります。オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類を多く食べることをお勧めします。
ハーバード大学公衆衛生大学院が実施した看護師の健康調査では、1日に8サービング(野菜なら60~70gの小鉢、果物なら100gなど食事バランスガイドの単位)以上の果物や野菜を食べる人は、1日に1.5サービング以下しか食べない人に比べて、心血管疾患を発症する可能性30%低いことがわかりました。
3.ナッツ類:ナッツ類は不飽和脂肪酸と抗酸化物質が豊富で、コレステロール値を下げ、血栓の形成を抑え、動脈硬化を予防する働きがあります。クルミ、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類を適度に摂取することをお勧めします。
2022年に「栄養、代謝、心血管疾患」(NMCD)に掲載された研究では、3000人以上の若者を20年以上追跡し、30年間の健康状態を記録しました。 その結果、若い頃にクルミを多く食べていた人は、そうでない人に比べて健康状態が良好で、体重、腹囲、血圧、中性脂肪値が低く、いずれも心血管疾患のリスクと関連していることがわかり、心血管疾患に罹りにくいことが判明しました。
4.魚類:魚には不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、コレステロール値を下げたり、血栓の生成を抑えたり、動脈硬化を予防する効果があります。オメガ3脂肪酸を豊富に含むサーモン、イワシ、マグロなどの魚を適度に摂取することをお勧めします。
5.全粒穀物:全粒穀物にはビタミンやミネラル、特に食物繊維や抗酸化物質が豊富に含まれており、コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する効果があります。オーツ麦、玄米、全粒粉パンなどの全粒粉食品を多く食べることをお勧めします。
食品の役割は限られているため、薬物治療に完全に代わるものではありません。心血管系疾患をお持ちの方、または発症のリスクが高い方は、医師の治療計画に従う必要があります。具体的な治療方法については、個人の体質や体格が異なるため、医師にご相談ください。
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