関節炎、関節痛の改善に役立つ4つの食品(2)

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2. アントシアニンの摂取

研究によると、紫色の食品は有益であることが示されています。紫色や赤色の果実にはアントシアニンが豊富に含まれており、アントシアニンは植物が捕食者から身を守るために生産される二次代謝物です。アントシアニンには抗炎症作用があります。

これらは主に酸化ストレスを解消し、炎症を減らすことで、関節炎などの疾患からの痛みを緩和するのに役立ちます。科学的にも、アントシアニンが認知能力の低下を抑制し、心臓、腎臓、および消化器系を保護することが証明されています。

研究者は、さくらんぼやその他の果物に含まれるアントシアニンが脂質および糖の代謝を調節するのに役立つことを実証しています。エルダーベリーの果実にはアントシアニン、ビタミンC、亜鉛が豊富に含まれていますので、これらの果実には抗炎症調節活性があり、関節炎患者の痛みを抑制するのに役立つ可能性があります。COVID-19パンデミック以前から、これらの果物は免疫機能の向上、風邪やインフルエンザの抑制能力で知られていたのです。

2004年の研究によると、5日間毎日15ml(大スプーン約1杯)のエルダーベリーのシロップを1日4回摂取すると、プラセボよりも4日間早くインフルエンザの症状が和らいだのです。2019年の研究では、エルダーベリーの果実がウイルス攻撃に対抗するメカニズムを詳細に説明しています。Science Dailyによると、エルダーベリーの化合物は、ウイルスが人体の細胞に侵入し複製するのを直接阻止し、人体のウイルスへの免疫反応を強化するのに役立つのです。

3. 食品への調味料の添加

平凡な食品は常に味気ないものです。ところが、いくつかのスパイスを加えることで、食品に痛みを和らげる効果を持たせることが可能なのです。研究によると、大蒜、生姜、シナモン、そしてウコン(ターメリック)は関節炎患者の痛みを緩和する化合物とされています。

シナモン

2018年の研究によると、リウマチ性関節炎患者の女性にとって、シナモンの補充は安全な補助療法とされたのです。このランダム化二重盲検臨床試験は36人の女性を対象に行われ、シナモン群とプラセボ群に8週間分けられました。この研究は規模が小さく女性だけが含まれていますが、結果は関節の痛みや腫れに有意な影響があった一方、肝酵素、脂質プロファイル、空腹時血糖、赤血球沈降率(ESR)に変化は見られませんでした。

生姜

生姜はもう1つのスパイスで、骨関節炎の症状を軽減する効果で注目されています。2001年の研究では、高度に精製された標準化されたエキスの使用が、これらの症状を有意に軽減し、安全性が高いことが示されました。

最近の2020年の論文では、生姜の使用が痛みを和らげる安全で有望な方法であることが確認されました。研究者は、骨関節炎を含む痛み緩和における条件付きランダム化対照試験をレビューしました。生姜は安全で有望な効果が確認されていますが、有用な長期治療に必要な量を分析するためには、さらなる研究が必要です。

大蒜

大蒜は多くの国の料理の重要な材料で、イタリア、中国、メキシコなどです。しかし、それは単なるスパイスではありません。2020年の研究によると、62人のリウマチ性関節炎患者のデータは、8週間の大蒜補充が酸化ストレスと健康評価の改善に役立つことを示しています。

ウコン

ウコン(ターメリック)はその抗炎症特性で有名です。2016年のランダム化臨床試験の分析では、ウコンエキスとクルクミンが関節炎の症状の治療において肯定的な効果が示されました。研究者は試験数と総サンプル数が明確な結論を出すには不十分であることを発見しました。

2021年に発表された文献レビューでは、ウコンをプラセボと比較し、骨関節炎の痛みと膝関節の機能に、有益であることが示されました。少ない研究に基づき、ウコンの効果は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と同等であると考えられています。

2021年のランダム化試験では、ウコンをアセトアミノフェン(鎮痛薬)と比較しました。この研究の結果は、利用可能なウコンエキスがアセトアミノフェンと同等に効果的であり、膝関節の骨関節炎痛や症状の軽減に有効であり、腫瘍壊死因子α(TNFα)およびC反応性蛋白(CRP)の低減においてより安全かつ効果的であることを示しました。

 

スパイスは関節炎を和らげる効果があります (mabaff / PIXTA)

(つづく)
 

オステオパシー医師兼作家。「Mercola.com」を創設。自然健康の分野で複数の賞を受賞。主なビジョンは、人々が健康を管理できるよう支援する貴重なリソースを提供することで、現代の健康パラダイムを変えること。