世界が驚嘆した夢の舞台 神韻2024日本公演まもなく開幕

壮麗たる歴史の絵巻、優美なる天上の物語――新雪舞う日本で、ニューヨーク発の舞台芸術・神韻(シェンユン)の2024年日本公演がまもなく開幕の時を迎える。北の札幌から南の福岡まで、過去最多となる42公演を設け、感動のひとときへと観客をいざなう。

「失われた中国伝統文化の復興」を掲げる神韻芸術団は、今年で創設17年目を迎える。巧みな舞踊に色鮮やかな衣装、雄壮な音楽、そして豪華な3Dダイナミックバックスクリーンで、毎年一新された演目を披露する。

2023年1月11日、神韻芸術団が「千年の都」京都で昼夜の2公演を行った。夜公演のフィナーレでは鳴り止まぬ熱い拍手にカーテンコールが3回続いた(龔安妮/大紀元)

神韻は古典舞踊や独唱など約20の演目からなる世界最高峰の芸術団だ。唐代宮廷の淑女の優雅なふるまい、三国志や水滸伝の武人たちの武勇伝、そして後世に受け継がれる老荘思想の知恵。中国古典舞踊と最新のテクノロジーを組み合わせた「視覚の饗宴」は観客の心を震わし、至高の体験を届ける。

オーケストラピットでは神韻交響楽団が舞台演出に合わせ、ダイナミックかつ繊細な音色を奏でる。二胡や琵琶、ドラなど中国古典楽器を融合させたオーケストラは情緒豊かなサウンドを織りなし、古代文明の息吹を伝える。

神韻公演では、専属の交響楽団による生演奏を楽しむことができる。写真はフランス・ルーベ公演の様子(呉青松/大紀元)

「神韻」の意味について、主催者は「神々の舞の美しさ」と表現している。神が伝えたとされる中国伝統文化の復興を願い、己の信念を貫くアーティストによる血の滲むような努力が、舞台上の一挙手一投足に凝縮されている。

三大少女歌劇のひとつ、OSK日本歌劇団OGの美森あいかさんは昨年度の京都公演を鑑賞し、「皆さんの足の先から手の先まで動きが素晴らしく、大変勉強になりました。美しかったです」と賞賛した。「小道具の巻物の一つ一つまで色が違ったり、頭の飾りが素敵だったり、細かいところまで見させていただきました」「もう一回見たいという気持ちになりました」と語った。

2023年1月11日、OSK日本歌劇団OGの美森あいかさんはロームシアター京都メインホールで行われた神韻公演を鑑賞した(藤野偉/大紀元)

台湾では最高位を含む財政界の高層が劇場に足を運んでいる。これまでに神韻を4回鑑賞している、頼清徳副総統(当時)は昨年、「神韻公演の内容は年を追うごとにますます洗練されている。優れたアーティストたちであり、その舞踊は非常に美しい」「多くの人に神韻を見てほしい」と総統府報道官を通じてコメントしている。

2006年に設立された神韻は今や8つの同規模の芸術団を持つに至り、それぞれ専属のオーケストラを擁している。2023年のワールドツアーでは24か国の200近い都市で巡回公演を行い、数々の世界トップレベルの劇場で満員の大盛況を記録した。

神韻公演会場で観客に手を振る台湾の頼清徳副総統(観客提供)

高尚な芸術を鑑賞することで、心洗われるような感覚に浸ることができる。「美の追求は人間の本能です。しかし、世界の暗さや暴力に晒されると、その美を見失いがちです。神韻は真の美を伝え、人々の心を呼び覚ますのです」と、英国貴族院議員のデービッド・アルトン男爵は感慨にふけた。

伝統的なベルカント唱法を取り入れた神韻歌手は、圧倒的な声量で劇場を包み込む。世界の名舞台で活躍するイタリアのテノール歌手ジョルジョ・カシャッリ氏は「すべてが美しかった。素晴らしいオーケストラと音楽、ソプラノもテノールも、歌詞も素晴らしかった」と述べ、「なんとも素晴らしい経験でした。大切な人にも勧めたい」と絶賛した。

イタリア・ベルガモ市の著名な劇場「Teatro Donizetti」での神韻公演の様子。2023年4月7日撮影(張清颻/大紀元)

元宝塚歌劇団雪組副組長の麻樹ゆめみさんは「力強くてかっこいい男性舞踊が新鮮でした。ジャンプの高さもすごい。目を輝かせて見ていました」と絶賛。華やかな宮廷舞踊も「衣裳が優雅ですごく綺麗。あの長い布を扱える演者の皆さんの技術も素晴らしい」と称えた。

「最初から最後まで感動の嵐」ーー。こう表現するのは、京都で1150年の歴史を持つ祇園祭の主催関係者である大嶋博規さんだ。神韻が表現する「天を敬い、徳を重んじる」という中国の伝統に深く共鳴し、日本文化にも相通ずるところがあると語った。

内面を雄弁に語る二胡の独奏も心に響いたといい、「悲しい感情、嬉しい感情、ハツラツとした感情、全ての感情を二本の弦で表現できる素晴らしい楽器。そして素晴らしい演者。これは感動せざるを得ない」

中国の専制政権が伝統を目の敵にし、自国の文化を破壊するなか、神韻芸術団は共産主義以前の中国を舞台に甦らせた。忘れ去られた美徳と価値観を、舞踊を通して、歌声を通して今の世に伝えている。

カナダのシンガーソングライター、ジュディ・ベラールさんは、「神韻の舞台で表現された価値観は現代に存在しないと気づかされ、魂に響いた」と述べている。

神韻の日本公演は2007年以降、パンデミックの期間を除いて毎年行われてきた。2022年末から始まった日本公演は3年ぶりとなったものの満席御礼が続出、急遽追加席を設けることもあった。愛知県芸術劇場で行われた最終公演では、万雷の拍手と歓声が満席の劇場を包み、カーテンコールが3度続いた。

2023年1月30日、愛知県名古屋市の愛知県芸術劇場で、神韻芸術団が今シーズンの日本巡回公演の千秋楽を迎えた。この日、フィナーレでは万雷の拍手と歓声が満席の劇場を包み、カーテンコールが3度続いた(龚安妮/大紀元)

主催者である古典芸術振興会の佐藤マチ子理事は取材に対し、「全ては応援していただいている方々のおかげです」と感謝の気持ちを表した。「今年も神韻は演目を一新して皆様をお待ちしております。ぜひご家族ご友人お誘い合わせの上、お楽しみいただけたら幸いです」と語った。

神韻2024日本公演は名古屋会場を皮切りに、2023年12月22日から2024年2月16日にかけて、全国12会場で42公演を挙行する。

公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。

公演は全席指定。料金はSS席23,000円、S席18,000円、A席14,000円、B席12,000円、C席10,000円、D席 8,000円。東京(渋谷)と東京(文京)の場合は、上記各種チケット代にプラス2,000円となる。

大紀元エポックタイムズは神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。