ヨーロッパの飢餓を救った野菜でもあります。

ジャガイモの驚くべき効能(上)減量や血糖値の調整に重宝される

ジャガイモは、フランスでは「大地のリンゴ」という異名を持っています。でんぷんが多く含まれていますが、実際には高繊維で低カロリーの食材であり、リンゴと同じような効果があります。ジャガイモは手軽に手に入るダイエットのための優れた食材であり、血糖値を正常に保つのにも役立ちます。そのため、減量や2型糖尿病と戦うために利用されることが増えています。

中国では、ジャガイモには「土豆」という俗称があります。中国の伝統医学の観点から見ると、この名前は、ジャガイモには五行の土の性質が強いことを表しています。これこそジャガイモの健康効果の由来だとされています。

脾と胃を強め、血糖値を調節する

中医学では、食べ物の特性を判断する際に、機器を使わずに目視だけで簡単に判断できる方法があります。一緒にやってみませんか。

では、ジャガイモを見てみましょう。その外見は地味で、素朴で、人間の脾臓を思わせる形をしています。そして、ジャガイモは土の中で成長し、地中に埋もれていますから、自然に大地のエネルギーを持っています。

ジャガイモは土っぽい外見をしており、人間の脾臓のように非常にシンプルです(dorry / PIXTA)

中医学の五行理論によれば、大地は「土」のエネルギーを持ち、万物を育む力があります。五行とは、金、木、水、火、土の五つの宇宙のエネルギー(気)が絶えず動いていることを意味しています。中医学では、あらゆるものには陰と陽、五行が存在するとされています。人体の五臓も五行に対応します。

人間の脾と胃は五行の「土」に対応するため、ジャガイモはまるで自然に土の中で育った脾臓のようで、まさに天が与えた脾と胃を強化する食べ物と言えるでしょう。

中医学では、ジャガイモは脾臓と胃を補う効果があります。脾臓と胃を強くし、健康で自然な消化システムが良くなり血糖値を正常に維持できます。脾臓と胃の機能が良くなると、食欲が正常になります。

ジャガイモの奇妙な働きとは、体が栄養素をうまく吸収できるようになると同時に、不要な廃棄物や余分な脂肪を排出し、脂肪の蓄積や便秘の問題を抑えます。細い人が食べると食欲が増し体重が増加する一方で、肥満気味の人が食べると満足感を得やすく、飢餓感が速やかに減少し、自然と食事量が減り体重が落ちる傾向にあります。消化システムが正常化すると、体は自らを調整し、健康的な状態を維持するようになります。 

言い換えると、大地の力がジャガイモに注ぎ込まれ、その力が脾と胃の機能を強化する機能を持っているということなのです。したがって、土の中で成長する食材、たとえば人参、里芋、山芋、大根、さつま芋などは、脾と胃の働きをサポートし、消化を助ける効能があるとされています。

信じられない方は、トマトをみてみましょう。中医師なら、一目見ただけでトマトの効能がわかるでしょう。トマトは色が鮮やかな赤で、心臓の形をしており、水分も多いため、中医学では心臓の経絡に作用し心臓と血管の機能を調節し、心脳血管疾患の予防と治療に効果があるとされています。面白いことに、これは現代医学の研究結果とも一致しています。見た目からその効能を知ることができるのは中医の魅力であり、天人合一、人体の機能と天地・自然は相応している、一体だという思想の表れでもあります。

(つづく)

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。