寝る前の5分間ストレッチでぐっすり寝ましょう

睡眠疲労を和らげ、消耗したエネルギーを回復させるので極めて重要です。研究結果によれば、寝る前にシンプルなストレッチを行うことで、睡眠の質が向上し、夜間の筋肉けいれんの回数や強度が軽減します。中国古典舞踊の講師ロッキー氏が、寝る前に行う簡単で効果的なストレッチをご紹介します。
 

寝る前のストレッチは安眠を促す

ロッキー氏は、就寝前のストレッチは筋肉をリラックスさせるテクニックであり、多くの場合、呼吸法を取り入れていると説明しました。ゆっくりとしたペースでの呼吸は、自律神経系を整え、交感神経系を落ち着かせる効果もあります。睡眠状態に入る能力は、交感神経系のリラックスと密接に結びついています。したがって、ストレッチに呼吸法を取り入れることで、情緒を安定させ、リラックスした睡眠状態に入りやすくなります。

2003年10月に睡眠と概日科学の国際ジャーナル学術誌『Sleep』に掲載された研究では、中強度の運動やストレッチは、座りがちで過体重の閉経後の女性の睡眠の質を改善することが判明しました。

2012年3月に『Journal of Physiotherapy』誌に掲載された別の研究では、就寝前に毎晩ストレッチを行うことで、高齢者の夜間の足筋収縮頻度と重症度の低下がわかりました。

日本睡眠学会の認定睡眠専門医、白浜龍太郎医師は、夜になると体の核心温度が段々と下がり、それが眠気を引き起こすと説明しています。体温を下げることで、眠りを誘いやすくなります。寝る前にストレッチを行うことで、体温を一時的に上げ、その後の体温の自然な下降によってより眠気を感じやすくするのです。

寝る前に行うストレッチエクササイズ6種

寝る前に行うストレッチエクササイズ6種(大紀元製図)

股関節のストレッチ運動
ステップ:
・足を前に伸ばして座り、背中をできるだけ真っすぐにして、少し前傾姿勢を取ります。
・左膝を曲げて両手で抱え、下の脚を持ち上げて太ももに近づけます。一時停止してから、リリースします。右脚でも同様の動作を繰り返します。
背中を丸めないように心がけるーー脚を持ち上げる際は、前傾姿勢を保つことをおすすめします。両脚それぞれ10回のストレッチをします。この運動は股関節の動きをスムーズにし、歩行や階段の上り下りなどの動作をサポートします。

鼠径部のストレッチ運動
ステップ:
・座った状態で背筋を伸ばし、足の裏を合わせて、できればかかとを鼠径部に近づけます。足の上に手を置き、ゆっくりと床に押し下げます。
・背筋を伸ばしたまま、頭を床に近づけるように体を前に倒します。その姿勢をキープした後、背筋を伸ばして元の姿勢に戻ります。
・前屈を4〜5回行った後、膝をゆっくりと揺らします。
太ももの内側は肝経絡が通る部分で、中医学では、肝臓が自律神経系をコントロールしているとされています。このストレッチを行うことで肝経絡の流れを良くし、自律神経のバランスを整え、快適な睡眠につながります。

腰を伸ばすストレッチ
ステップ:
・足を前に伸ばして座り、背筋をなるべく真っ直ぐにして、少し前傾姿勢を取ります。
・右足を左足の上にかけ、左手は右膝の外側に置き、右手は床につける。体を後ろにひねりながら振り返り、そのままの姿勢をキープした後、体を元に戻します。反対側も同様に行います。
このストレッチは、首、腰、背中の上部の筋肉を伸ばします。それぞれの側で10回ずつ行ってください。

呼吸法
ステップ:
・座ったままで背筋を伸ばし、体を少し前に傾け、首を伸ばします。
・体幹(みぞおち)から深く息を吐き、誰かにお腹を殴られる感覚をイメージし、下腹部から息を吐き出す。
・息を吸いながら、体幹(みぞおち)を引き締めながら、丹田から息を胸まで引き上げ、胸の力を使って腰椎を微かに曲がった状態から胸、腰、肩、首、顎、最終的には頭の後ろまで伸ばし、体を真っ直ぐの状態にします。ステップ2と3を9回繰り返す。

息を吸いながら、体幹を引き締め、丹田から息を胸まで引き上げます(8×10 / PIXTA)

ロッキー氏によると、「提」と「沉」は中国の古典舞踊における基本の韻律です。「提」は、息を吸いながら胸や腰を外側と上に広げる動作を指します。

「沉」は、息を吐きながら体をリラックスさせることを意味します。古典舞踊では、「沉」は次の動きへの移行をスムーズにするためにリズムをつなぐ役割を持ち、円を描くような概念を生み出します。この呼吸法は、激しい感情を落ち着かせるのに有効であるとされています。

6. 肩のストレッチ運動
ステップ:
・座った姿勢で背筋をなるべく直して保ちます。
・タオルの両端を持ち、前から頭上へと持ち上げる際に、上背部を軽く反らせて体重を少し前に移します。
・腕を伸ばした状態で、タオルを後ろに引き、それが地面に触れるまで下に引き続け、再び前に戻します。この動作を2回目と3回目のステップで9回繰り返します。

ストレッチは心と体の一体感を高めるものです。ロッキー氏は、この精神状態で体をコントロールする力が増すと考えています。就寝前に瞑想をすることで、体がリラックスし、睡眠に適した状態に近づきます。この時、穏やかな睡眠を思い描きながら心を落ち着かせるだけで、眠りにつきやすくなります。

現代の忙しくストレスが多い生活では、ほんのいっとき、リラックスすることの大切さが見過ごされがちです。そのため、寝る時間になっても精神がずっと興奮状態にあります。就寝前にストレッチと呼吸をコントロールすることを組み合わせることで、心と体が調和し、リラックスした質の良い睡眠へと導かれます。

睡眠