中国デフレ圧力が再燃 3月のCPIは弱く、PPIの下落幅は拡大
4月11日に中国国家統計局が公表した最新の経済データによれば、3月の中国の消費者物価指数(CPI)は僅かながらも増加したが、生産者物価指数(PPI)の下落が続き、デフレ圧力が再び強まる兆しを見せている。
中国国家統計局が4月11日に公表した報告書によれば、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比でわずか0.1%の増加にとどまり、2月の0.7%増加から大幅に減速し、市場予測の0.4%にも届かなかったことが明らかになった。
さらに、生産者物価指数(PPI)は前年比で2.8%減少し、前月の2.7%減少からさらに下落が進み、2016年以降で最も長い低下傾向が続いており、18か月連続の下落となっている。
市場セグメントごとのデータ分析によれば、3月には衣料品、旅行、教育関連のコストが上昇した一方で、卵、青果、肉類は値下がりした。食品全体と酒・タバコの価格は前年と比べて1.4%の減少を見せ、消費者物価指数(CPI)の上昇を相殺する影響があったことが分かる。輸送関連の費用も前年比4.6%の減少を示し、デフレの圧力が増していることが伺える。
経済の構造的課題
3月の生産者物価は前年同月比2.8%下落し、前月の2.7%下落からさらに下落幅が拡大し、18か月連続の下落となり、2016年以来最長の下落となった。
統計発表と同時に株式市場は反応し、中国株が6日連続で下落する可能性を示唆している。香港で取引されている中国関連の株式も同様に価格が下がった。
商品価格の下落は、中国の企業の収益に圧力をかけ、投資意欲の減退を招くだけでなく、消費者が将来的にさらなる価格の低下を予測し、消費を控える傾向につながるかもしれない。
最近の特定産業における価格競争の激化は、デフレが今後数か月にわたって中国経済の成長を妨げるリスクを高めている。
経済分析家たちは、季節による要因が消費者物価指数(CPI)の変動に確かな影響を与えているとの見解を示している。特に、中国の旧正月の期間中に食品の価格が急騰し、その後は下落した点が影響しているとされている。
また、生産能力の過剰が価格に影響を及ぼしており、これが中国人民銀行の経済刺激政策の課題となっている。自動車の価格が前年と比べて4.6%も下がったことは、メーカーが流通や販売の過程で価格を更に引き下げている可能性を示しているかもしれない。
キャピタル・エコノミクスの中国経済担当責任者は、「消費者価格は一時的に更に低下しているわけではないが、製造業の生産能力に対する投資が依然として出荷価格を下げる主要な要因である」と述べている。
中国共産党政府は最近、家計の消費を刺激するためのいくつかの措置を導入しており、その中には自動車ローンの規制緩和も含まれている。しかし消費者は、経済の減速と雇用市場の低迷により、高価な買い物に対して慎重な態度を続けている。
食品とエネルギーを除いたコアインフレ率の低下
食品とエネルギーの価格など大きく変動する項目を除いたコアインフレ率の3月の数値は0.6%と、前月の1.2%から下がった。
アナリストたちは、これが経済の構造的な弱さを示しており、信用が消費ではなく生産に流れることは中央銀行の金融政策の影響力の低下を示していると指摘している。さらに、需要の長期的な低下は、政府が新しい経済成長の道を見つけ出せるかどうかという疑問を投げかけている。
最近、信用格付け会社のフィッチは、経済成長の鈍化と債務の増加を理由に、中国の国の信用格付けの見通しを「ネガティブ」に下方修正した。
これは中国の財政にリスクをもたらすと考えられている。これらの指標と分析は、中国経済が直面している複雑な問題を明らかにし、デフレの圧力と構造的な課題に対して、政府と中央銀行によるさらなる政策的な対策と調整が求められている。