夏にぴったり! きゅうりを使った健康レシピと中医学の知恵

きゅうりは、暑い季節にぴったりの野菜で、体を冷やし、熱中症を防ぎ、のどの渇きを癒し、便秘を改善する効果があります。血糖値を下げる成分が含まれており、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。

しかし、きゅうりは「寒性」の食べ物である上に水分が多いため、胃腸が弱い人が多く食べるとお腹を壊してしまいます。

このため、食べる量を適量にして、他の温かい食材と組み合わせると良いでしょう。中医学ではこれを「陰陽の調和」と呼び、食材の「寒性」と「暖性」をバランスよくとり、体に栄養を供給する胃腸の消化システムを守ることが重要です。

以下は中医学の考えに基づいた、きゅうりの健康効果を最大限に引き出すための2つのレシピです。

 

レシピ1 パクチー風味のきゅうりときくらげの和え物

(yuriyt / shutterstock)

 

<材料と下準備>

   ・きゅうり 2本(スライスする)

   ・乾燥きくらげ 10グラム(水で戻してざく切りする)

   ・パクチー 適量(胃腸が弱く、またパクチーが嫌いでない方は多めに)

   ・にんにくペースト 適量

   ・酢 適量

   ・しょうゆ 適量

   ・ごま油 適量

   ・赤唐辛子 1本(細かく切る。辛いのが苦手な人は生姜のみじん切りに代えてください。)

   ・塩、味の素(お好みで) 適量

    

<作り方>

 1.大きなボウルに、きゅうり、きくらげ、パクチー、赤唐辛子を入れます。

 2.酢、しょうゆ、ごま油、にんにくペースト、塩、味の素を加えます。

 3.全ての材料がよく混ざるように、しっかりと和えます。

 4.味見して自分のお好みで調味料を足しましょう。

 5.盛り付ければ完成です。

 

<健康効果>

きゅうり

きゆうりは水分をたっぷり含みますので、体の水分バランスを維持し、脱水を防ぎます。ビタミンCとカリウムも豊富で、血圧を正常に保ち、肌の健康をサポートします。また、体を冷やす効果もあり暑い季節にぴったりです。

きくらげ

食物繊維が豊富で腸内環境を整え、便通を促進します。また、ビタミンDが含まれており、骨の健康を維持するのに役立ちます。

パクチー

胃と肺の機能を整え、消化を助ける働きがあります。ビタミンA、K、Cが豊富で、免疫力をサポートし、視力や骨の健康にも良い影響があります。また、消化を助け、胃の不調を和らげる効果があります。

にんにくペースト

にんにくには抗菌作用があり、風邪の予防に役立ちます。アリシンという成分が含まれており、これが抗菌・抗ウイルス作用を持っています。さらに、血行を促進し、血圧を正常に保つ効果も期待できます。

赤唐辛子

体を温め、血液の循環を促進します。カプサイシンを含んでおり、新陳代謝を促進し、体脂肪の燃焼を助けます。また、血行を良くし、体を温める効果があります。

 

レシピ2 きゅうりとセロリのチキンサラダ

イメージ画像(Zhibo Wang / Shutterstock)

 

<材料と下準備>

 ・きゅうり 1本(スライスする)

  ・セロリ 100グラム(一口サイズに切る)

  ・乾燥きくらげ 10グラム(水に戻してざく切りする)

  ・にんじん 1本(皮をむいて細切りにする)

  ・長芋 100グラム(皮をむいて細切りにする)

  ・鶏のもも肉 150グラム

  ・しょうがの千切り 適量

  ・にんにくペースト 適量

  ・酢 適量

  ・ごま油 適量

  ・塩 適量

  ・しょうゆ 適量

 

<作り方>

 1.きくらげ、セロリ、にんじん、長芋をそれぞれさっと茹でて、冷水で冷やし水気を切ります。

 2.鶏のもも肉を沸騰したお湯で茹でて、煮えたら取り出して細かく裂きます。

 3.大きなボウルにきゅうり、セロリ、きくらげ、にんじん、長芋、鶏肉を入れます。

 4.酢、ごま油、塩、しょうゆ、しょうがの千切り、にんにくペーストを加えてよく混ぜ合わせます。

 5.味見して自分のお好みで調味料を足しましょう。

 6.盛り付ければ完成です。

 

<健康効果>

セロリ

体を冷やす効果があり、特に場に適しています。また、血圧を下げる効果もあります。ビタミンやミネラルが豊富で、関節の健康にも寄与します。

にんじん

消化を助け、視力を保護する効果があります。豊富なカロテンとビタミンAが含まれており、免疫力を高め、健康な肌を保つのに役立ちます。

長芋

胃腸の健康をサポートし、エネルギーを補給する効果があります。また、血糖値のコントロールにも役立ちます。

鶏肉

タンパク質が豊富で、体力を維持し、筋肉の成長をサポートします。また、消化が良く、疲労回復にも効果的です。

 

このサラダは、きゅうり、セロリ、きくらげ、にんじん、長芋、鶏肉などのバランスの取れた食材を組み合わせています。それぞれの食材が持つ健康効果を活かし、全体の栄養バランスを整え、体調をサポートします。特に夏場にぴったりの一品です。

 

注意事項

体質に合わせて適量を守ることが大切です。きゅうりは体を冷やす効果があるため、食べ過ぎには注意し、特に胃腸が弱い人は控えめにしましょう。にんにくやしょうがなどの香辛料は冷えを和らげますが、過剰に摂取すると胃に負担がかかることがあります。胃腸に問題がある場合は、医師の指示に従ってください。

 

(翻訳編集 華山律)

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。